市役所が本当に伝えたい尼崎の治安のこと

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写真、啓発グッズを手に持った職員

 「治安が悪いって本当ですか?」
 「尼崎はガラが悪い」。世間一般的に言われていること。でも本当にそうなのか。真相を解明すべく、二児の母であり、「尼ノ物書キ組」局長の坂本恵利子が市役所に直撃取材!

全然ごつい人たちではなかった


写真、インタビュー風景
尼崎市危機管理安全局危機管理安全部 生活安全課 日野さん 乾さん 中川さん

正式名称「尼崎市危機管理安全局危機管理安全部 生活安全課」。なんとも威圧感のある課名。防犯の取り組みに関わる業務を、担当する課。「さぞかし、ごつそうな人たちが、いっぱいいるのだろう」と勝手な想像している私の前に現れたのは、拍子抜けするほど優しそうな人たち。いやいや、これは見せかけなのかもしれない。変な質問したら、豹変するのかもしれない。気を引き締めないと。

まずはこの質問から。いきなり鉄拳が飛んできやしないだろうか…。


写真、インタビューに応える職員

では率直に聞きます。尼崎って、やはり治安が悪いのでしょうか。


そんなことありませんよ。確かに、かつてはひったくり認知件数が県下でもワースト1位でした。しかし確実に減ってきています。ひったくり撲滅宣言(平成25年9月)以降、3年連続減少。平成27年には、平成23年から続いていた兵庫県下でひったくり件数4年連続ワースト1位も返上することができました(現在1位は神戸市)。平成25年は175件もありましたが、28年は50件を下回りそうな勢いで減っています。あと多いのは、自転車の盗難ですね。尼崎も、他都市と同じく街頭犯罪(※1)の約半数を、自転車の盗難が占めています。防犯意識、犯罪意識が少々低いというか。鍵をつけたまま自転車を駐輪する人も少なくない。盗む人は、「ちょっと自転車を借りるで~」的な…。でも実際は、れっきとした犯罪で、刑法上の窃盗罪(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)などに該当します。

ひったくりは減ったといっても、まだワースト2位。自転車の盗難も「ちょっと自転車を借りるで~」は、かなり困るわけで。


写真、インタビューに答える職員

ひったくり、自転車の盗難を減らすための防犯対策は、どうでしょうか?


市内では可動式防犯カメラを12基設置。さらに、青色パトロールカーで市内を巡回するほか、車では進入できない細い道は、市生活安全課職員による「チャリパト隊」が自転車でパトロールしています。また市民による「尼崎ウォーキングパトロール隊」もあります。散歩など普段の生活の中で、首からかけるIDカードをつけて歩いていただくものです。もし、不審者情報などの提供があれば、ツイッターなどで情報共有できるんです。こうした市民の方々の協力は、本当にありがたい。また自転車の盗難対策としては、毎月6日を「ロックの日」として、市内駅前駐輪場周辺で啓発を行っております。これからも、さらに防犯力の密度を上げていきたいと思います。


写真、インタビューに答える職員

今、隣りの西宮市が県下街頭犯罪認知件数ワースト4位なんですよ(ワースト3位は姫路市)。次は西宮市を抜きたい!なんとしてでも、西宮市より件数を下回らせたい!

おっと、それまでの穏やかな表情が一変。西宮市に闘争心をむき出しの日野さん。

目指せ、防犯先進都市!そうだ西宮市を抜くのだ!


写真、インタビューに答える職員

尼崎は近隣市と比べても、自転車に乗っている人が本当に多い地域ですよね。1人1台は当たり前ですし。当然、自転車盗難が多くなるのも頷けるのですが、自転車事故も多いのでしょうか?


実際に多いですね。人身事故の約4割が自転車事故で、この割合は兵庫県下の約2倍にもなります。減らす対策としては小・中学校で自転車教室を開催したり、小学校校区ごとの事故マップを作成し、ホームページで公表したり、危険箇所の注意喚起を行っています。


なお、自転車については、市役所の5つの課と連携してのプロジェクトチームを設置し、自転車の位置づけを都市の課題から都市の魅力へと返還すべく取り組んでいます。自転車は本来、環境や健康によい素晴らしい乗り物ですから。(※2)これは「自転車のまち」ならではの動きといえますね。


すごく手厚い!尼崎は、防犯や事故防止だけでなく「自転車にやさしいまち」と言えそうですね。子を持つ親としては、かなりうれしいかも。


ここで中川さんいったん退席


和やかな雰囲気で、取材はおわりそうと、ほっとした瞬間。
突如、部屋に“ピンクの人”が入ってきた!とっさに身構える私。


写真、突如現れたミミちゃんグレート

すみません、どちらさまでしょうか…。


ミミちゃんG(グレート)(※3)です。


………。


なぜか月に住んでいるという彼女は、生活安全課の交通安全戦士。各種イベントなどにも出張し、活躍しているそう。尼崎を守る交通安全戦士と思いきや、「ちょっと様子を見にきた」というユルさに、親近感を覚える私。その後、カメラマンのリクエストに応え、さまざまなポーズでの撮影に応じるミミちゃんG(グレート)。奥が深すぎるぞ。「尼崎市危機管理安全局危機管理安全部生活安全課」。


写真、ポーズを決めるミミちゃんグレートと職員
写真、写真、インタビューに答える職員
写真、インタビューに答える職員
写真、インタビューに答える職員
写真、インタビューに答える職員
写真、啓発チラシ
写真、ポーズを決めるミミちゃんグレート
写真、インタビューに答えるミミちゃんグレート
写真、手作りのミミちゃんグレートのコスチューム

※1:道路等の公共空間における犯罪のうち、市民が身近に不安を感じていると考えられる①路上強盗、②強制わいせつ、③ひったくり、④車上狙い、⑤自動販売機狙い、⑥自動車盗、⑦オートバイ盗、⑧自転車盗、⑨部品狙い、⑩器物損壊等の10種類
※2:本市ホームページ中、「自転車を安全・安心・快適に利用できるまちづくり」(https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/kuruma/zitensya/1019850/1020159.html)を参照
※3:普段は、「ミミちゃん」というウサギのパペット人形として交通安全教室に登場していますが、変身すると、ミミちゃんG(グレート)になる。