尼崎の公共施設のレンタルスペースのことが知りたい

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尼崎市内にはさまざまな役割を持つ公共施設が数多くあります。そんな施設のレンタルスペースを使いながら、手形アートレッスンや親子が楽しめるイベント企画を行なうtayutayu family(たゆたゆふぁみりー)を主催するのは、市内に住む森口法子さん。


写真、建物入口に立つ職員の住野さんと森口さん(右)

 活動を始めたのは、昨年6月。はじめは自宅を開放してレッスンを行なっていましたが、「もっと色々な親子イベントも開いてみたい」と、公共施設のレッスン会場探しを始めます。近隣の市外のママとも一緒に活動をするなかで、尼崎の公共施設の使い勝手に疑問を持ちはじめたそう。「少しずつ、施設ごとに利用ルールが違ったり、担当者で対応が違ったりしたことも…」という森口さん。今回、直接、タイプの違う3つの場所を訪ね、担当者から直接お話をうかがうことができました。

①武庫西生涯学習プラザ(地域密着度:★★★★★)


写真、武庫西生涯学習プラザの外観

まず訪ねたのは、市内の各地区に2館ずつある生涯学習プラザ。2019年より、すべての地区で公民館と地区会館が一つになり、生涯学習プラザに名称が変わりました。武庫西生涯学習プラザは、武庫支所と武庫地区会館が合築され、2017年にオープンしました。


対応してくれたのは、武庫地域課の住野さん(右)

ここの建物名は「武庫西生涯学習プラザ」ですが、1階部分は地域振興センターが入居、2、3階部分が以前は武庫地区会館で担っていた貸館スペースとなっています。


私も他の生涯学習プラザを利用したことがあります。ここは武庫之荘駅から少し離れていて、集客しにくいと思ったこともあり、利用したことはありませんでした。
以前から気になっていたのは、同じ「生涯学習プラザ」という名前の館でも、地区によって和室の利用料や広さ、設備が大きく違うので、実際に下見をして、自分たちの活動には使いやすいかどうかを、それぞれ判断しないといけないんですよね…。


現在、地区によっては建て替えがまだ完了していないところもあって、過渡期なので仕方がないかもしれませんね。


ここ数年、ママが取得しやすい新しい資格ができたり、育児休暇中に取得して活動するママが増えていると感じます。私もその一人なんです。私たちの教室は、材料費などがかかるため有料のものがほとんどで、施設の営利目的利用に引っかかる場合があります。でも、公共施設なら安心して来てもらいやすいので、ママたちにとって利用しやすくなると嬉しいです。


私たち職員は、せっかく新しくなった施設をぜひ利用してもらいたいので、市民の積極的な声を聞きたいと思っています。場合によっては、別の施設や担当課につなぐことになるかもしれませんが、身近な地域課を訪ねてご相談ください。


写真、1階にあるコミュニティルーム外観

写真、2階にある受付窓口の職員

写真、和室を案内する職員

<森口ママの感想>

とてもきれいな施設で設備も充実しています。親子サークルがあるなど、よく子連れのイベントも開催されています。営利目的利用が不可の難点はありますが、とても使いやすい施設のひとつだと思います。


②中央公園 (開放感:★★★★★)


写真、中央公園北側入口付近

 市内に300か所以上ある公園。各地で人気の手づくりマルシェなどでも公園がよく利用されています。阪神尼崎駅北側に広がる「中央公園」は、まさに尼崎の玄関口とも言える場所。園内には著名な彫刻家の手によって作られたシンボリックな噴水があり、広場では歴史ある菊花展、さつき展などが例年開催されています。


左:公園維持課の北村さん

尼崎の玄関口である阪神尼崎駅前にある中央公園は、市内の数ある公園のなかでも断トツで利用申請の多い公園です。原則、公園のスペースは自由利用ですが、占有する場合は申請する必要があるんです。


どんな利用目的が多いんですか?


この中央公園で多いのは、ライブですね。ここ数年、公園管理者が積極的に声かけをしたこともあって、申請がとても多くなりました。ビラ配りや交通安全教室、物産展などにも使われています。


公園を借りて大規模なイベントを主催するのは、いつかやりたい夢ですね~。


イベントの主催には、後援名義があると減免や無料になる可能性もあるので、イベントの目的に合わせて市役所の担当課とつながると実現しやすいかもしれませんね。


写真、公園の様子

写真、中央にそびえる噴水のモニュメント

写真、公園内を案内する職員

<森口ママの感想>

阪神尼崎駅に直結していて、アクセスしやすい場所だと思います。ただ、イベント利用はハードルが高そう。公園内に遊具はないけれど、近くには商店街やお店が多くあり、子どもと周辺を散歩するのにも楽しいところだと思います。


③尼崎市中小企業センター(ビジネス度:★★★★★)


写真、尼崎市中小企業センター外観

 尼崎市中小企業センターは阪神尼崎駅からほど近い、庄下川沿いにあります。レンタルスペースはもちろんのこと、創業者を支援するシェアオフィスのフロアもあり、専門家のサポートも手厚く、ビジネスを始める人の心強い味方となってくれる場所です。


左から、奥園総務課長、創業支援マネージャーの森さん、佐野さん

起業について悩んでいたときに、こちらの施設のことを教えてもらったんですが、「中小企業」という名前が付いているので、私にはハードルが高いかな、と思っていました。


事業を始めたい、そんなはじめの一歩からサポートしようと、なんでも経営相談「BiZ-Miks(ビズミクス)」という事業をやっています。私たち専門の相談員が、まだハッキリと言語化できないもやもやした状態からのご相談にも対応するものです。


私は親子向けのイベントを主催していて、それぞれの得意分野を持つママたちとワークショップや物販を組み合わせた活動をしたいと思っています。でも、物販を伴うと公共施設では営利目的だと判断され、利用できない場合が多いのが悩みです。


イベントのまとめ方に工夫が必要かもしれませんね。こちらにもママさん起業家からの相談があり、複数の相談者をつないで、自分たちで使いやすいシェアスタジオを作るプロジェクトなどが進んでいます。


まだ活動をスタートさせたばかりですが、ママ間の口コミ力、ネットワーク力はすごいと実感しています。ここでさらに、ママさん起業家と出会う機会ができたら、私たちの活動も、また前進できそうな気がします。


写真、インタビューの様子

写真、会議室を案内するスタッフ

写真、インタビューに答えるスタッフの森さん

<森口ママの感想>

幅広い起業相談ができそうなので、起業をしようか迷っているママでも、相談へ行っても大丈夫です。子連れでも相談訪問しやすいことがわかると行きやすいですね。


最後に

 市内には、いろんなタイプのレンタルスペースがあることがわかりました。取材を通して、担当者の方から色々なお話を聞けたことが、今後の活動を広げていくうえで参考になるような気がします。これからも、担当者との関係性を大切に、私たちの活動に利用しやすい場所を探していきたいです。

※本記事の取材は、2019年12月から2020年1月に実施したものです。


▼各施設について詳しくはこちら(外部リンク)
武庫西生涯学習プラザ
公園(公園維持課)
尼崎市中小企業センター