地域コミュニティの居場所づくり「TARO COFFEE(タロウコーヒー)」再開!

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 兵庫県立阪神特別支援学校分教室のみなさんが、市営住宅の集会所を借りて月2回から4回程度喫茶サービス活動をされている「TARO COFFEE(タロウコーヒー)」をご存知ですか。
 新型コロナウィルスの感染拡大防止のため2月から休止されていましたが、専門家のアドバイスを受け7月から再開されています。
 同校は、兵庫県立武庫荘総合高等学校に併設された、兵庫県内に3校ある特別支援学校分教室のうちの一つで、普通科職業コースとして、卒業後に就労することを目的に「WORK(喫茶サービス)」の授業を行っています。
 1年生は、言葉遣いや、笑顔、身だしなみなど、社会人としてのマナーや就労に必要な技能を授業で学びます。
 2年生と3年生は習得した技能を発揮し、実際の職業観を養うために、地域の中で喫茶サービス活動を行います。


 この活動は平成30年10月から始まりました。同校が武庫地域振興センターに地域の中で活動できる場所を相談したところ、尼崎市福祉課の学生の地域活動を支援する「支え合いを育む人づくり支援事業」の制度を知ったことがきっかけです。
 ちょうどそのころ、社会福祉協議会武庫支部では高等学校に隣接する市営住宅に独居高齢者や高齢者世帯が多く「地域のふれあい・支え合い」の住民同士が助け合う外出支援に取り組もうとしていたところで、両者の思いが一致し、「TARO COFFEE(タロウコーヒー)」が誕生することになったのです。

「支え合いを育む人づくり支援事業」
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/shisei/si_kangae/si_keikaku/039keikaku/1019476.html


 入り口で検温・アルコール消毒の徹底など、感染予防対策を万全にし、机と机の間にパーテーションを設置。これまでカップやグラスで提供していた飲み物をパック飲料に変更されていました。生徒のみなさんや先生方は、おそろいのエプロンと教頭先生発案の透明マスクシールドをマスクの上から着用し、笑顔でお客様を迎えられ接客されていました。


 また、会場は、卒業生による手作りの装飾やメニュー表があり、とてもゆったり落ち着いた空間となっています。
 コーヒーを飲むことはもちろん、生徒のみなさんとの交流も楽しみに地域の方がお客様として来られ、今では地域の方々の素敵な憩いの場となっています。来られる方の中には「震災の後、地域の交流の必要性を強く感じたから」とふれあいを楽しみに来られている方もおられます。


 この喫茶サービス活動は、生徒のみなさんの働くことへのイメージに繋がり、サービス業に興味を持つきっかけとなっています。そして、お客様が繰り返し来てくれることで一時的な人間関係ではなく、地域の一員として関係を築いていくための礼儀や会話などを主体的に考え、自らコミュニケーションが取れるようになってきているそうです。

 今後も、喫茶サービス活動が地域住民をつなげる地域コミュニティの居場所となることを期待しています!