土器土器(ドキドキ)!弥生時代ぐらし〜!という軽妙なフレーズが聞こえてきそうな今回のみんなの尼崎大学オープンキャンパス。
会場となったのは「田能(たの)資料館」。この資料館は、田能遺跡の上に建てられた施設で、弥生時代の土器や装飾品などを展示している場所です。
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今回は、参加者みんなで弥生時代の衣装である貫頭衣に身を包み、2時間半の弥生時代へのタイムトリップのはじまりです。
と、その前に実は、関心のある方は遠足気分で阪急園田駅から歩いてみよう!ということで、イベント開始時間の1時間半前に駅に集合。そこから会場まで遠足気分で歩きます。
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ですが、この道のりが結構大変。「なぜ、公共交通機関を使わなかったのか」という自責の念に駆られながら、結局50分ほど歩き続け、会場まで到着します。すでに、やや疲れ気味。(その後、お昼ごはんを食べてパワー回復しました。)
みんなの尼崎大学オープンキャンパスは、いつも第一部と第二部に分けて内容を進めています。
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第一部は、訪問する施設や団体の取り組みのお話を聞く時間、第二部は、施設や団体から出されたテーマ、あるいは参加者から出されたテーマに沿ってグループセッションを行う時間です。
今回の「田能資料館」編の第一部は、職員の竹原さんによる資料館の概要説明からはじまりました。
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昭和45年に開館した田能資料館では、常設展や特別展などを通じて、遺跡や歴史を身近に感じてもらう取り組みをされています。
色々なお話を聞く中で、特に印象的だったのは、遺跡の整備にまつわる様々な物語。
田能資料館のある場所は、もともと配水場として工事が進められていました。その工事の最中に、大量の土器や弥生人とともに、墓が見つかります。
発掘に携わる調査員が足りなかったことから、田能遺跡の調査責任者の方が考古学の学会で呼びかけを行い、全国から考古学の研究者や学生が駆けつけたそう。しかし、調査の横でブルドーザーやトラックが土器をふみつぶしていきました。
「弥生人発見!」の報道に、市民が遺跡に押し寄せました。毎日のように見学に来る市民の中には、寒い日や暑い日、雨の日にも懸命に調査をする若い考古学の調査員に、心を奪われた人もいました。市民たちは、差し入れや炊き出しをして、若い調査員を支えはじめます。こうして仲良くなった調査員と市民たちは、「遺跡を残したい!」と保存運動を始めます。
市民たちが、田能遺跡保存の署名を呼びかけると、みるみる支援の輪が広がっていきました。ついには、国を動かして結果的に田能遺跡を残すという判断が下されました。
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運動する市民たちの中には、子どもたちのお父さん、お母さんの姿がありました。彼らは「公害で評判がよくなかった尼崎のイメージを変えたい。保存運動によって、文化を守る人々がいるまちであることを伝えたい。そうして、子どもたちが誇れるようなまちにしていきたい」との思いで奮闘したのでした。
「自分にも何かできることはないか」、「歴史や遺跡のことはよくわからないけど、がんばっている若者の応援がしたい」。そういう尼崎市民のひたむきな想いが「田能資料館」の根底に流れているとお聞きして、なんだか誇らしい気持ちになりました。
その後は、遺跡内をツアー。復元住居にみんなで入ってみてお話しを聞いたり、土器を実際に触ってみて弥生時代を感じてみたり。小学校の遠足を思い出しましたが、大人になった今の方がしっかりと楽しめたように思います。
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第二部では、田能資料館から出されたテーマや、参加者から出たテーマについてみんなで語り合います。
「資料館にたくさんの人に来てもらうには?」「“守る”ということについてみんなで考えたい」など、いくつかのテーマに沿って対話を深めました。
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非常に興味深いお話しをたくさん聞くことができた今回。次回のオープンキャンパスもさらに楽しみになりました。
※みなさんが着ているのは「貫頭衣」という弥生時代の服装です。私服ではありませんので、ご了承くださいませ。
(文・みんなの尼崎大学事務局 藤本)
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募集案内(イベントは終了しています)
■日時
2017年11月19日(日)13:00~15:30(12時半受付開始)
およそ1時間の遠足コースもあり(11:30にお弁当持参で阪急園田駅改札集合)
■場所
田能資料館 尼崎市田能6-5-1
■内容
およそ50年前に発掘され「日本のツタンカーメン」と全国から注目を浴びた尼崎の「田能(たの)遺跡」。当時他の遺跡には例のない貴重な装飾品が出土し、弥生時代の謎を解くヒントを与えてくれました。復元された竪穴住居に入ったり、当時の土器や石器に触れたりしながら、弥生人の知恵や工夫を学びましょう。
■参加費
無料
■持ち物
筆記用具
■定員
30名程度
■申し込み・問い合わせ
尼崎市役所 尼崎大学・学びと育ち研究担当
Tel:06-4950-0387 Fax:06-4950-0173
Email:ama-ucma@city.amagasaki.hyogo.jp