「みんなが先生、みんなが生徒、どこでも教室」のスローガンどおり、みんなの尼崎大学「的」な活動に取り組む人や生き方をご紹介します。
トングを持った謎の男性の正体は…。
阪急塚口駅、塚口さんさんタウン周辺。「ゴミが俺を呼んでるんや!」と鼻歌交じりに言いながら、トングを手に軽快な足取りでゴミを拾い集める一人の男性がいました。この活動を「トングマン」とブランディングする、ちょっと怪しいこの男性の正体は、伊丹市在住の原田明さん(64)。まちなかの学びの場のひとつである、『NPO法人あまがさき環境オープンカレッジ』の理事でありながら、ある時は町内会の会長、ある時は尼崎の未来を考えるイベント「Amagasaki to the Future」のゲームマスター、またある時はFMあまがさきのラジオDJなど、幾つもの顔を持つ彼の事を、周囲の人は親しみを込めてBOB(Break Off Barriers!)と呼びます。
マスメディアの最先端から、ミクロな地域のなかへ
長い間大手広告代理店で働き、華やかなサラリーマン時代を過ごした原田さん。しかし40代の終わり、当時のマスメディアのあり方に、違和感を持ち始めました。「これからは、ローカルの時代。自分の経験を活かして地域を面白くしたい!」そう思い、55歳で早期退職。尼崎を中心に、地域に関わる活動の現場に次々に飛び込んでいきました。
出会いから生まれる創造の場・みんなの尼崎大学
「尼崎の人はどこか飛び抜けていて、おせっかいで、みんな他人の事ばかり考えているから、おもろいんや」。そんな仲間との出会いが、伊丹在住の彼を、とことん尼崎に夢中にさせているようです。
みんなの尼崎大学では、「文系・理系、専門分野の枠をぶち壊して(Break Off Barriers!)、学びをシェアすることの楽しさを、もっと広げてゆきたい。1人ではできない事も、尼崎だったらできる」と意気込みます。活動を通し、おもろい仲間に出会った彼がこれから尼崎で実現したいことは、「尼崎のメディアセンター」を作ること。様々な分野のプロや、街で活躍するプレイヤーと協力して、使える、生きたメディアを構築してみたいといいます。
「僕はまちのビタミン剤みたいな存在。いてもいなくてもいいけど、ちょうどいいタイミングで、元気を与えられる存在でいたい」。そう語る彼は、今や尼崎には欠かせない存在となっています。