ちょっとカッコいい「まちのながめ」、どうしてこんな冊子がつくられたんですか? 後編

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冊子のデザインもカッコいいですが、これはどなたが担当されたんですか?


写真、冊子の中身

全体デザインは、事務局を担った手島さんや入江さんの強いこだわりで決まったと思います。


どういう雰囲気が今のイメージか、雑誌なども参考に大きさやページ数などを決めていきました。特に、写真の並べ方にはこだわりました。

技術職として普段から現場を見ている立場からは、どんな意見やこだわりがありましたか?


写真、インタビューに答える職員

私は土木職で、公園の部署課にも長く在籍していました。メンバーに選ばれたのも、そんな経験から緑の視点が求められたのかな、と思っています。魅力ある眺めには、緑地や木が重要だと思っていて、街路樹はぜひ載せたいと思っていました。冊子では、武庫之荘駅から南に行ったところの山手幹線が掲載されています。ここは、樹形がきれいで歩道や車道からの眺めが3層になって見える並木道となっているのが特徴的です。街路樹の美しさをこの並木に託しました。


写真、インタビューに答える職員
写真右から、安井さん、津川さん

私の課からは2016年7月に開通した「長洲久々知線」を載せて欲しい、とこだわりました。


チーム内では、舗装方法のひとつであるインターロッキングという言葉もよく飛び交いました。同じ材料でも並べ方を工夫することで良く見せることができます。限られた予算で、いかにいいものがつくれるか、担当者の腕の見せどころでもあります。例えば、車止めに自然素材の石を使うことで、侵入防止の目的を確保しつつ、景観にも配慮しています。

日々まちを見ている立場から、尼崎のまちの良さはどんなところだと思いますか? 冊子を通じて伝えたいこととは?


写真、インタビューに答える職員

有名な観光名所はないけど、尼崎にもいいところあるよね、というのを感じてもらえたらうれしいですね。まちの景観は、ちょっとしたことがつながって「ちょっといいな」になってくると思うんです。私たちのまち全体が良くなる、そんなことを一緒にやっていきませんか?という呼びかけが伝わるといいな、と思います。冊子のなかでは、公共の整備と個人や民間の整備がうまく溶け合っているところや、オープンスペースのように私空間を提供してくれているなどの好事例も載せています。


個人的にヘリテージマネジャー(歴史文化遺産活用推進員)として古い建物を大切にしていこうという活動にもかかわっています。尼崎には城下町や工業都市時代のそれぞれの建築が残っているけれど、今回の冊子では、建築を土木、樹木と一緒に並べて紹介しています。まちの風景は、建築だけじゃなくて、いろんなものが有機的につながってできているということを、僕自身も改めて感じるきっかけになりました。

 冊子「まちのながめ」を手にした市民からは、「これどこ?」「全部尼崎のまちの写真なの?」といった、問い合わせや驚きの声が市役所に寄せられているそうです。冊子の中の写真を眺めていると、普段眺めている景色を違う視点から見るヒントに気づきます。道路や街路樹に込めた担当者の想いも想像してみたら、さらにまちの眺めが変わって見えそうですね。

冊子「まちのながめ」はこちらからダウンロードできます。

<パネル展示「まちのながめ」>
各公民館で、「まちのながめ」のパネル展示の巡回展を開催中。(武庫公民館、立花公民館、園田公民館は終了)
①大庄公民館2/26~3/12②中央公民館3/12~26③小田公民館3/26~4/9 開館時間はいずれも午前9時から午後9時まで(日曜は午後5時まで)

写真、市役所屋上に集合した制作チーム

写真、インタビューに答える職員

写真、市役所屋上からの眺め

写真、制作チームが写真を選ぶ様子

写真、インタビューに答える職員

写真、制作チームが写真を選ぶ様子

「まちのながめ」を知ろう(市役所/外部リンク)


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