第28回みんなの尼崎大学オープンキャンパス「そうだ、選挙行こう」

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 5月20日(木)は、オンライン会議システムZoomを使って、「そうだ、選挙行こう」をテーマにオープンキャンパスを開きました。今年は、尼崎市議会議員選挙と兵庫県知事選挙、衆議院選挙の3つが重なります。そんな選挙イヤーにこそ知っておきたい「議会と選挙」について学んだ様子をご紹介します。

そもそも「議会」って何?

 まずは選挙管理委員会事務局長の冨永謙一さんとともに、尼崎市議会ガイドブック『議会へGO!』を見ながら尼崎市議会のしくみをお話しました。『議会へGO!』は尼崎市のホームページ(⇒こちら)から見ることができます。


『議会へGO』を画面共有しながら説明する冨永さん(左)と尼大事務局の若狭さん

 議事堂は市役所の隣にあり、本庁舎同様、建築家の村野藤吾が設計した菱形のデザインの建物です。本庁舎とは2階の連絡用通路(通称:渡り廊下)で繋がっており、建物の中には議場や会議室、図書室などがあるそう。ここで行われる「市議会」は、市役所が提案する予算案や条例案などの『議案』を承認する「議決機関」です。一方で市長を筆頭とした市役所は、「執行機関」として議会で承認された予算や条例をもとに事業を実行します。


 議員は18歳以上の市民が選挙で選び、4年の任期を務めます。尼崎市はおよそ45万人の市民に対し、議員の定数は42人なので、ざっくりと市民1万人を代表して1人の議員がいるイメージです。41人の議員のうち、男性は31人、女性は10人で構成されています(令和3年5月20日現在)。議員は基本的には専門性の高い5つのジャンルの「委員会」に分かれて議題を審査。例えば「建設消防防災委員会」では、公園や道路、住宅、防災などについて話し合います。その後、議員全員が集まった「本会議」の場で委員会で審査された内容を議決します。オープンキャンパスを開いた5月20日は本会議の最終日。これまで話し合ったことを最終決定する日でした。

バーチャル議会を傍聴してみよう


あまよう特別支援学校高等部のみなさんも教室から参加してくれました

 市議会の様子はホームページから生中継されていて、誰でも傍聴することができます。画面を共有してみんなで議会を覗いてみました。画面は議場の前方を映しており、上段中央に座っているのが議長。画面右側が議会事務局長です。中央では、市長や各委員会の委員長が説明をされていました。これまで委員会で話し合ってきた内容を読み上げているときは「抑揚のない声で淡々と説明するから内容が全然頭に入ってこない!」と嘆く参加者もいましたが、冨永さんによると「議事録に残るので間違いがないように丁寧に読み上げている」とのこと。


左側は傍聴の生中継の映像。副音声的に冨永さんの解説が入るのは、今回の企画ならでは。

 画面では前方しか映っていませんが、画面外に放射線状に座席があり、その他の議員が座っています。ちなみに席は決まっているそうで、任期中の4年間、席替えはありません。当選回数が多い人ほど後ろの席になる傾向があるのだとか。

 今回は団地解体の際にみつかったアスベストの除去費用に関する議題や、コロナの影響による住民税非課税の子育て世帯への給付金の話など、全ての議案が可決されました。この日は議員任期最後の議会だったので、市長や議長から議員のみなさんに感謝の言葉が述べられました。参加者からは「今回みたいに解説付きで傍聴するのは面白い。生中継は平日の午前中なので都合がつかないけど、平日の夜に録画した映像をパブリックビューイングしてはどうか」や「議会を見ても他人事だと思ってしまうから、自分事だと興味を持てるような工夫があれば」などの感想がありました。

今さら聞けない「選挙」のこと

 次は、議員を選ぶ「選挙」について学びます。今年の6月6日には市議会議員選挙があります。その約2ヶ月前である4月8日に立候補予定者へ向けた説明会があり、57陣営の出席があったそう。立候補者は5月30日の告示日に発表されます。それまでに立候補者は書類の準備をしたり、ポスターを作成したりと準備を進めます。立候補するには法務局に30万円の供託金を納めなければなりません。でも、この30万円は無責任に立候補することを防ぐための制度なので、覚悟を持って立候補し、一定数の票を獲得すると返金されます。一方で、選挙運動に必要なポスター印刷費や選挙カー代など、一定の金額は公費負担として税金で賄われます。お金持ちでなくても志があれば立候補できるように制度が整えられているのです。そして選挙権を持った市民は、立候補者の詳しい情報が掲載された「選挙広報」や街頭演説などを参考にして6月6日に投票をします。


見本で見せてもらったのは前回の「選挙公報」。尼崎市内に全戸配布されます。

投票率を上げるには?

 前回の市議会議員選挙の投票率は42.42%。決して高いとは言えない投票率を少しでも上げるためには、どのようなことができるでしょうか。参加者同士でグループに分かれてアイデアを出し合いました。参加者からは「これまで候補者を選ぶ判断基準がなくて分からなかった。選挙に関心がある人や投票をしたいと思っている人が投票会場に行けない場合もあるので、インターネット投票ができれば良いのでは」や「学生は社会問題には興味を持つけれど、選挙となるとよく分からない人が多いのでは」という声が。すると「選挙活動を手伝ったり応援したりすると、選挙の面白さにハマる人が多いので、自分の考えに近い候補者を応援するのも選挙を知る近道では」とのアイデアが。また「身近な人に当事者がいたら関心を持ちやすい」や「ユース交流センターに来ている学生にも選挙について考える機会を作りたい」などの意見もありました。


約25人の参加者と一緒に選挙について考えました

 今回の市議員選挙は6月6日に開票も行われます。尼崎市記念公園の体育館で21時20分から作業が始まりますので、興味のある人は見学に訪れてみてはいかがでしょうか。開票の様子を見ることが選挙に関心を持つきっかけになるかもしれません。

 みんなの尼崎大学では、この他にもオープンキャンパスの企画を考えていますので、最新情報は尼崎市ホームページもしくはフェイスブックをご覧ください。毎月第2水曜日に開いている「みんなの相談室」もぜひご参加お待ちしております。