2018年6月に「尼崎市たばこ対策推進条例」ができたことをご存知ですか?
今回のオープンキャンパスは、この条例をきっかけに、どうしたら尼崎が暮らしやすいまちになるのかみんなで考えてみようと、阪神尼崎駅周辺の清掃活動やたばこをテーマにした大喜利大会を開催!吸う人も吸わない人も「ピース」になる条例とは、いったいどんな条例なのでしょうか?
まずはみんなで吸い殻を拾おう!
集合場所は尼崎市役所開明庁舎。まずは実際にたばこの吸い殻拾いをしてみようと、参加者みんなで「やめよう!歩きたばこ」と書かれた黄色いたすきを掛け、トングとごみ袋を持って阪神尼崎駅前に繰り出しました。30分ほどの時間でしたが、たくさんの吸い殻を拾いました。
さらに今回は、尼崎で楽しみながら清掃活動をしている「護美奉行(ごみぶぎょう)」の北側利彦さんと「世界ポイ捨て吸い殻アート協会」(略して「セカポイ」)尼崎支部長の野瀬裕介さんが駆けつけてくれました。
「護美奉行」は、子どもに大人気の刀をモチーフにした「刀トング」を使って阪神尼崎駅周辺を中心とした市内のさまざまな場所で活動。「世界ポイ捨て吸い殻アート協会」は阪急塚口駅周辺を中心に活動する清掃グループと連携し、拾ったたばこの吸い殻で文字や絵のアートを作っています。
清掃活動と聞くと、やらないといけないこと、大変なことというイメージがあるかもしれませんが、尼崎ではそれも楽しんでしまおうという「まちのお掃除ムーブメント」が広がりつつあるのです。
阪神間初、保健所が作るたばこ条例
開明庁舎に戻ってからは、参加者が4人一組のグループになって、たばこにまつわる即興劇を体験しました。劇のシーンはランチタイムで満席のカフェ。
A:「ごちそうさまでした。マスター、ここって禁煙?」
B:「いえ、特に決まってません。」
A:「そしたら一服。」(とポケットからタバコを取り出しうまそうに吸う)
C:(おもむろに咳き込む)「ちょっと!食事中なんで遠慮してもらえませんか。」
A:「うるさい!この店、どこにも『禁煙』なんて書いてないやろ!」
C:そんなこと書いてなくても、これだけ混んでたらフツーは吸わないでしょ。」
A:「フツーってなんやねん!フツー、ランチの後は一服するやろ?」
D:「ちょっと、うるさいからケンカやめてもらえません?ほら、マスターもケンカとめて」(とBをうながす)
までが決められたセリフで、その続きは各自アドリブで演技します。
即興劇はそれぞれの主張を一歩も譲らないと白熱したり、どうにか落とし所を見つけようと懸命に話し合ったりなど、グループによって違う展開になりました。簡単にご紹介すると、
- B(マスター)がA(喫煙者)に換気扇の下で吸ってくれたらコーヒーをサービスすると言った
- D(居合わせた客)が実は自分も喫煙者だと言って、A(喫煙者)を誘って外に連れ出した
- A(喫煙者)がみんなで試してみようとたばこを勧めて全員で吸うことになった
- B(マスター)ははじめは分煙にしようかと思ったが、迫害されているみたいだというA(喫煙者)の意見を受けて、禁煙に協力してもらえたらサービスすることにした
それぞれのチームで違うストーリーになっているところが面白いですね。このように立場を変えて演じてみることで、吸う人も吸わない人もお互いの気持ちが分かる即興劇となりました。
次に、保健部事業推進担当の松原亨悟さんから条例の説明がありました。これまで、阪神間で尼崎のみたばこに関わる条例がなかったと話す松原さん。昨年尼崎市でできた条例は、他の市町の条例にある路上喫煙禁止区域の制定や歩きたばこの禁止などの内容に加えて、阪神間初の内容も盛り込まれているといいます。
「他の市町では環境の部署が条例を作っていますが、尼崎では保健所が条例を作ったところが特徴です。だから、尼崎市版はたばこによって脅かされる『健康』の視点も入っているんです」と力を込めます。
「吸う人も吸わない人も同じ尼崎市民。喫煙者を締め出したり、排除したりするのではなく、お互いが気持ちよく過ごせるまちにしようと考えられているところが最大の特徴ですね」と松原さんは優しい口調で説明していました。
詳しい条例の内容はこちらをご覧ください。
IPPUKUグランプリ開幕!
「本気で禁煙を決意してしまう恋人からの一言は?」のお題で始まったのは、たばこ大喜利。出題されるお題に対して、その場でアイデアを考えて答えるワークショップの一種です。6月にできたたばこ条例を広く知ってもらうにはどうすればよいか、禁煙したいと思っている人をどのように応援するかなど、保健部事業推進担当が抱えるお悩みについて参加者みんなで頭をひねりました。
例えば「絶対にポイ捨てできない公園。さて、どんな公園?」のお題には、
- 水鉄砲を持った子どもポイ捨て警察がいる
- 公園中灰皿だらけ
- めっちゃ捨ててほしそうにしている人がいる
- 吸い殻が公園内で使えるお金になる
- 怖いお兄さんが落としましたよと届けてくる
- ポイ捨てありがとうございまーす!と応援団員に言われる
- 地域の子どもたちの顔写真が地面のタイルになっている
などの回答が。発想力や笑いのセンスが問われるワークショップですが、みなさんとても斬新なアイデアが出ていました。
このようにたくさんの面白い回答がありましたが、中には「実際に施策に取り入れられそう」と保健所事業推進担当課長である吉田雅明さんが目を輝かせるアイデアも。大喜利から生まれた斬新なアイデアが、まちなかで披露される日が来るかもしれません。
JR尼崎駅周辺に引き続き、これから阪神尼崎駅前の中央公園やJR塚口駅周辺も路上喫煙禁止区域となります。しかし禁止区域に指定された区域には、新しく喫煙所が作られるなど、喫煙者も暮らしやすいまちになるよう配慮を欠かしません。
違う立場の人たち同士がお互いを思いやる。そんな、吸う人も吸わない人も「ピース」といえる尼崎が、近い将来訪れるかもしれないと期待が膨らむオープンキャンパスでした。
募集案内(イベントは終了しました)
たばこ対策推進条例が施行された尼崎。愛煙家と嫌煙家の二つになんて、かんたんには割り切れない、たばこにまつわるいろんな人の気持ちに迫ります。当日は、阪神尼崎駅前でたばこの吸い殻を拾いながら、新たにできる喫煙所を見学。開明庁舎へ戻り、4人1組でたばこにまつわる即興劇(IPPUKUセッション)を体験後、大喜利形式でアイデア会議を行います。自分の幸せと誰かへの迷惑を一緒に考えてみましょう。
■日時
2019年2月8日(金曜日)午後6時30分~午後9時(30分前より受付開始)
■場所
尼崎市役所開明庁舎コミュニティホール
(尼崎市開明町2-1-1) 阪神尼崎駅から徒歩3分
■テーマ
「たばこ吸ってもいいですか?」
■参加費
無料
■持ち物
筆記用具
■定員
30名程度
■申込・問い合わせ
尼崎市役所 尼崎大学・学びと育ち研究担当
電話:06-4950-0387 ファクス:06-4950-0173
メール:ama-ucma@city.amagasaki.hyogo.jp