市内の色々な場所で活動されている団体さんやスポットをより深く知っていただき、関わってくださる方の輪を広げることを目的に、私たち職員が活動に直接お邪魔させていただき、お試し体験レポートをお届けしようという新入生勧誘企画「新歓情報」。
クリスマスの華やかな雰囲気が街中に溢れる時期にお邪魔したのは、小田南生涯学習プラザで活動されている地域食堂「まあるい食卓」さん。
会の名前には、食を通して、地域からゆるく広くつながる居場所づくりを目指し、誰でも参加できる「まるくて大きな食卓」という思いが込められているそう。
ボランティアさんたちが集まったところで、準備開始。「クリスマスだからいつもよりちょっと華やかなメニューなの」と微笑みながら話してくださるのは代表者の金岩さん。
私のお手伝いは大量の食器を洗うところから始まります。他の皆さんも一緒に食器を洗ったり、大量の野菜を切り始めたり。炊飯器もカレーを炊くお鍋も家庭にはないさすがのビッグサイズ!
お皿を洗い終わると、次はクリスマスメニュー「切り身魚のオーブン焼き」に取り組みます。実はこのお魚、尼崎市公設地方卸売市場内にある尼崎水産物卸協同組合さんより市内の子ども食堂さんに提供されているもの。まあるい食卓さんでは今回初めて魚メニューに挑戦してみるそう。バットに並べ、余分な水分をふき取ってから塩コショウ。ガーリックパン粉をまぶしてオーブン焼きにします。
他のテーブルでも、大きなお鍋で具材たっぷりカレーや、ホットケーキミックスで作ったケーキが徐々に形になっていきます。
レシピに戸惑う参加者には、「こうしたらうまくいくんちゃう?」とベテラン陣がさりげなくフォローしてくれます。料理の得意な人も、苦手な人も、みんなで準備をして手作りのご飯を楽しく食べる。誰でも参加できる「まるくて大きな食卓」の思いを感じる瞬間でした。
最後に、園北ファームさんよりご提供頂いた、さつま芋と安納芋をホイルで包んでオーブンで蒸し焼きに。途中、アルミホイルが足りなくなり、買い足しにいくハプニングもありつつもなんとかオーブンにセット。大量の材料とメニューの多さに、間に合うかなと実は少し心配だったのですが、ちょうど1時間で準備を終え、無事完成!
この時点ではまだお客さんが来ていなかったので、お手伝いメンバーだけで先に食べ始めます。カレーはお子さんも食べられるようにやさしい味に仕上がっていました。クリスマスメニューの切り身魚のオーブン焼きも、お魚主担当さんの「チーズが少なかったかな」との心配をよそに、大好評!その後集まったお子さんが「これ大好き」ともりもりお代わりする姿に、お母さんがレシピを教えてほしいと言ってくださるほどでした。
この日は幼稚園生から小学生までの親子連れが中心のお客さん。初めてのお客さんの中には「300円でこんなにたくさんあるんですか」と驚かれる方も。特に小学生は育ち盛りとあってもりもりお代わり!作り甲斐があるとはまさにこのことです。デザートを渡すと照れ笑いで「ありがとう」と言ってくれたり、片付けのお皿を受け取ろうとすると「僕が洗います」と自らお手伝いしてくれたり、いい子たちばかりでほっこりします。
この日は来なかったのですが、小田南生涯学習プラザ1階で自習している高校生や、小田高校の生徒さんたちが来るときには、さすがの食欲で用意した食事が全部キレイになくなるのだとか。
食事提供も大体終わり、デザートを食べつつボランティアの皆さんとおしゃべりしていると、ベテランさんだとばかり思っていた方が、実は2回目だったり、3回目だったり。代表の金岩さんが「人手が足りなくて2人だけの時は、カレーしか作れなかったけど、今年になってからお手伝いに来てくれる人が少し増えて、今日みたいにメニューを増やせるようになってきたの」と教えてくれました。
「まあるい食卓」さんが始まったのは、金岩さんが学校関連のご友人から尼崎にもご飯を十分に食べられない子どもがいると聞いたことがきっかけでした。すぐ近くにいるはずの困っている子どもたちとどうやったら繋がりを持てるのだろうと考えた末、集まった仲間たちと一緒に2015年6月、地域に開かれたデイサービスの運営をされていた喜楽苑さんで活動を開始します。実は市内で最初の子ども食堂でした。その後、子どもだけではなく、誰にでも開いた場「地域食堂」に名乗り方を変更。
当初は、参加者がおにぎりを作り、ボランティアさんが作ったお味噌汁やおかずをビュッフェ形式で楽しむというスタイルでしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、喜楽苑での活動をお休みすることになったそうです。お休み中、お弁当の配布に切り替え、活動を繋いだ時期もあったそう。現地での再開を模索する中、建て替え終わった小田南生涯学習プラザとご縁があり、拠点を移して毎月開催を重ねてきました。月1回の安定した開催を続けるには、近隣の小学校でチラシを配布してもらうなど「たくさんの人にこの場を知ってもらえるように」と工夫を重ねておられます。
今回参加させていただき感じたのは、ボランティアの人たちも参加する人たちも自然体で気負いがないこと。その人その人に合ったスタイルで手伝い、参加している姿が印象的でした。無理に盛り上がろうとするわけではないけれど、時には、世代を超えて共通の話題に沸くことも。そんな会の中でも、なかなか食べ終わらない子どもを参加者が介助してあげたり、お手伝いをしてくれる子どもたちに「えらいね」と声をかけていたりと、子供たちを包む柔らかさ、温かさに、ここは子どもを育てる場の一つなのだろうなと感じました。
活動に興味が湧いた方は、まずはランチを食べるところから、まあるい食卓を一緒に囲んでみませんか。
- 団体名
- まあるい食卓
- 活動日時
- 毎月第三日曜日の11時から14時まで。(お手伝いをされる方は10時から)
- 活動内容
- 調理補助、会場設営、テーブル周りのサポート、子どもの見守り・遊び
- 参加条件
- こちらをご確認ください。(お手伝いの方は、食事代不要)
- 持ち物
- エプロン、お手拭き、髪が長い方はまとめる
- 場所
- 小田南生涯学習プラザ2階 実習室
- 連絡先
- Facebookのメッセンジャーにて(こちら)
- まあるい食卓さんから一言
- まあるい食卓は、2015年6月、金楽寺にある「喜楽苑地域ケアセンターあんしん24」さんの場所をお借りしてスタートしました。その後、コロナの影響を受け、現在は「小田南生涯学習プラザ」2階の実習室で、開催しています。食堂のスタイルも、以前の子ども食堂から、現在はどなたでも参加して頂ける地域食堂の形になりました。高校生以下は無料です。ちょっと一息、美味しいカレーを食べに来てくださいね!ボランティアご希望のかたも、まずは一度遊びにきてくださいね。お待ちしております☺