2025年5月、「KCPC木村化工機スケートパーク」がベイコム総合体育館のすぐ南にオープンしました。運営しているのは10〜20代のメンバーからなるNPO法人ASK。今回は代表の吉金潤一郎さんにお願いして、スケボー教室を開いてもらいました。
子どもたち、はじめてのスケボー教室に挑戦!
やってきたのは、西武庫公園を拠点に活動するフリースクール「ぐるりミライスクール」の小中学生たち。以前、本サイトでもご紹介した小田早希子さんも一緒です。「スクールでもスケボーが流行ってたんですよ」との言葉通り、自分のボードを持ってきた子もいました。
まずは吉金さんから、基本の「乗り方」を教わります。「かけっこで前になる足を板にのせて、もう片方で地面を蹴って…」と丁寧な説明。子どもたちはすぐに感覚をつかんで、「めっちゃ進む!」と歓声を上げながらスイスイ滑っていきます。
公園の舗装とは違って、ここは真っ平らなコンクリート。タイヤの転がりが全然違うんです。最初は緊張していた子も、5分後にはもう夢中で滑っていました。「大人になると恐怖心や恥ずかしさがあってこんな風には滑れない」と自由に滑り回る子どもたちを眺めながら、吉金さんもなんだか嬉しそうです。
親子でハマる人も!週末は家族連れでにぎわうパーク
「中高生が多いですが、週末は親子で来る人もたくさんいます。お父さんが子どもよりハマっちゃうこともあるんですよ」と吉金さん。なんと70代のベテランスケーターが再び滑ることもあるそうです。
レッスンの最後は「ふた蹴りレース」!パークの端から端まで、ふた蹴りだけでどこまで進めるか競います。真剣な表情の子どもたちの姿に、見ているこちらまでワクワクします。
5歳からスケボーをしているダイチさん(8歳)は、3年前の社会実験にも参加していたそう。「セクション(障害物)がたくさんできてて楽しい!」と、何度転んでもチャレンジし続ける姿に心を打たれます。
「欲しい場所は自分たちでつくる」パークが伝えたいこと
このパークの誕生には、多くの人の支えと大きな挑戦がありました。3年前は150万円の寄付で社会実験として運営していましたが、今回は1500万円を集めて本格的なパークを完成させたのです。
「図面も自分で描きましたし、市役所や工事業者さんとの調整も大変でした」と吉金さん。「叱られたりせっつかれたりしながら、やっと迎えたオープンの日のことは、正直あまり覚えてないんです」と笑います。
すべての始まりは高校2年のとき。「尼崎にスケートパークがほしいです」と市のまちづくり提案箱に送った一通のメールから始まりました。その話を、吉金さんは子どもたちにも伝えます。「自分たちが本気で動けば、夢はちゃんと形になるんだよ」と。
「センセイ、お手本見せて!」とせがまれた吉金さん。「こういうの一番緊張するわ〜」と言いながら、見事なトリックを披露。子どもたちの目が一斉に輝きました。
「ここからオリンピック選手が出てくれたらうれしいです。子どもなら、まだまだ間に合いますよ」と語る吉金さん。その言葉を聞いて、誰かの心のスイッチが入ったかもしれません。
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