OCvol.48 園田競馬場で「ちいきいと ダート競馬篇」尼崎vs伊丹vs川西

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 今回の「ちいきいと」は!といきたいところですが、「ちいきいと」という単語を初めて聞く方も多いと思うので、軽くご説明します。


 「ちいきいと」とは「ジモト」を愛する強者たちが集結し、写真とトークの応酬で死闘(非暴力!)を繰り広げます。神戸発、地域と地域が互いのプライドをかけてシノギをけずるジモト系非暴力抗争頂上決戦。今回はどんな闘いを見せてくれるのか、わくわくしますね。

 今回の「ちいきいと」は、園田競馬場で開催しました(以前にはボートレース尼崎や、旧ユニチカ記念館でも開催されましたね)。園田競馬場の特徴は、なんといってもナイター競馬があることです。夜に競馬を見られるなんて、とっても素敵ですね。また、競馬場の収益は、まちの防犯カメラや道路の整備などにも使われているそう。競馬場って意外にも、まちに深く結びついているんですね。

 今回の解説者は、元騎手の三野孝徳(みの・たかのり)さん。三野さんは、34年という長きにわたって騎手を務めてこられ、戦績としては地方通算1,900勝という輝かしい記録をお持ちです。現在は「HRA」という会社を設立し、主に競馬やボートレースに関連する広報面やジョッキーのマネジメントにおいて尽力されています。

「みんなの尼崎大学杯」開幕!

 決戦の前に、参加者のみなさんと一緒にレース観戦。三野さんからの贅沢な解説を受けながら「ちいきいと」参加者たちの応援にも力が入ります。なんと三野さんの予想が的中し、参加者の中には800円勝ち(?)の猛者まで。ビギナーズラックか、はたまた三野さんの解説のおかげか。


みんなで記念撮影!

 さて、競馬で肩慣らしをしつつ、懐を温めたところ(全員ではありませんが)で、いよいよ決戦の火蓋が切られます。会場のボルテージが上がってきたところに、司会者の二人が登場です!

 最初の見どころはなんといっても、司会のお二人。みんなの尼崎大学事務局の若狭さんと池上さんが、会場に合わせてジョッキーの勝負服を身にまとい、登場です!ちなみに今回の衣装は三野さんから特別にお貸しいただきました。これには参加者たちも大盛り上がりで一気に会場の熱が高まっていきます。


 それに引き続き、今回の「ちいきいと」の各軍を率いる猛者たちをご紹介しましょう!

今回の大将は誰だ?


 今回の大将も3つのエリアから、3人が登場です。まずは伊丹軍。

 伊丹軍は、永井純一(ながい・じゅんいち)さんが大将を務めます。フェスを研究する社会学者の永井さんですが、今回の決戦ではどんな動きを見せてくれるのでしょうか。


 川西軍の大将は、九鬼麻衣(くき・まい)さんが務めます。自分の仕事は街のお世話役ですと豪語するタウンマネージャーの九鬼さんには、たくさんの仲間が会場に集結。さすが川西のまちに根付く、九鬼さんです!


 そして、尼崎の大将は、言わずと知れた稲村和美(いなむら・かずみ)さんが務めます。尼崎の前市長である稲村さんは、なぜか話す時に大体立つというアグレッシブなスタイルで戦いに挑みます。市民との距離の近さで知られた彼女が、今回は尼崎のプライドを背負って参戦です!

いざ尋常に、勝負!

 3人の紹介が終わった後は、いよいよ勝負が始まります。最初にのお題は「大穴」。


 お題「大穴」では、各軍気合の入った写真を持って来てくださいました。先陣を切ったのは我らが尼崎の大将、稲村さんです。「あのーーーぅ」という第一声から、他軍に先制(牽制?)攻撃を仕掛けます。そんな稲村さんが見せてくれたのは、「ただの公園」の写真です。


 公園名に注目してみると「あなふとこうえん?」。でも、たしかによく見ると、ううむ「大穴」にも見える!

 実は、穴太の読み方は「あのう」。なので、あのう公園だったんですね。最初の「あのーーーぅ」の伏線回収という高度なテクニックで、しょっぱなから場を魅了します。しかも、稲村さんの名演技「あのーーーーぅ」の裏には、お仲間の熱血指導もあったそうです。ワンチームで「ちいきいと」に挑むその姿勢、素晴らしいですね。


稲村さんの影の立役者、奥平さん(写真真ん中。腕組みをしている方)。稲村さんにいろいろな写真を提供されたそうです。

 九鬼さん率いる川西軍も負けていません。彼女が見せてくれたのは謎の像。


 なんだこれ〜という声が聞こえてくる中ですが、駅前のデッキにある像なのだそう。ですが生活していてもなかなか気づかないものみたいです。九鬼さんは、みなさんが知らない「大穴」な隠れ像を教えてくれました。

九鬼さん「よく見ると、金太郎に似ていますよね?この像、満願寺の金太郎のお墓の方を向いて立ってるらしいです」

 と驚愕のうんちくを披露してくれましたが、これはデマだそうです。「なんやねん!信じたのに!」と会場の参加者はがっかり。

 この像は「ひなたぼっこの少女と猫」が正式名称です。九鬼さんは「サチコ」という名前をつけて、この像を可愛がっているといいます。「サチコ」がマスコットとして愛される未来も、そう遠くないかも?

 そして、会場を狂乱の渦に巻き込んだのが、最後の伊丹軍です。


 伊丹ですので、飛行機。うん。飛行機、、ANA、、大きいANA、、大ANA(大穴)、、!社会学者の(何度も言う)永井さんの、まさかの大ボケに会場は大盛り上がり。

永井さん「この写真は、スカイパークという公園で撮影したものです。この写真を撮るのにとても苦労しました。大ANAを狙っていたのですが、大JALと小ANAばかりで。だいぶ時間が経った後、最後に撮れました。よし!まさに大穴だ!と思ったのですが、あとから調べてみると実は1番大きい飛行機ではなかったみたいで、、。大穴を狙って外したやつです」

 山田くんも思わず座布団を50枚出したくなるような、完璧なフィニッシュまで見せつけました。他を圧倒し、先頭に躍り出た伊丹軍。

一進一退の攻防!

 続くお題は「サラブレッド」。


 先ほど華麗なフィニッシュで、先頭に立った伊丹軍が出したのは、飲食店の写真。名前をよく見ると「サンブレット」と書かれています。ここは、伊丹で人気のパン屋さんだといいます。


永井さん「お店の写真の使用許可を取る際に、ちいきいとの内容を説明して伝えたんですけど、残念ながらまったく店主の方には内容が伝わりませんでした。でもありがたいことに写真の使用についてOKしてもらえましたし、チラシも置いてくれました。ちいきいとの伝え方、難しいんですよ」

 これには尼崎の大将、稲村さんも共感。

稲村さん「わかる。私も写真撮影の際にお店の方々に説明したのだけれど、どういう写真を撮るのか、そもそもちいきいとがなんなのかの説明をするのが難しかったわ〜」

 「ちいきいと」の内容を口で説明するのは至難の業のよう。現地に来ないと「ちいきいと」の雰囲気はなかなか伝わりにくいのかもしれません。しかし、素敵な地域の方々のご協力があってこそ、この「ちいきいと」は成り立ちます。


 そんな尼崎軍が出したのは、こちらの写真。えびす神社の「勝馬」の写真かと思いきや、右側に写る一人の女性(そっちかい!)。この方は「尼崎のサラブレッド・かよっちさん(吹野和代さん)」とのこと。かよっちさんは、なんと園田純血種だといいます(いや、馬の方ちゃうんかい!)。

 生まれも、育ちも、仕事も園田由来のかよっちさん。かよっちさんは、園田の高校で野球部のマネージャーをしていたそうなのですが、エースと付き合いご結婚。そのエースこと旦那さんは現在、尼崎の副市長を務められているという紛れもないサラブレッドです。
 この純血種っぷりに思わず会場のみなさんも拍手してしまいました。

 この純然たるサラブレッドに対抗するのは川西軍。九鬼さんが出したのは、とある男性の写真。この方は、川西に住んでる人ならば知らない人はいないという「野原興産株式会社」の社長である野原さんです。彼が代表を務める会社では、甲子園球場の3倍の広さを誇る「多田ハイグリーン」を経営しています。そんな野原さんの家系は、千年もの歴史がある超サラブレッドなんだそう。


 写真に写る彼の、ひいおじいさんは現在の「池田泉州銀行」の元になった「北攝銀行」を立ち上げたといいます。さらに、能勢電鉄の元になった能勢電気軌道株式会社を創立したり、平野水商会を開業したりという偉業も。ううむ、サラブレッドだ。

 そして、白熱した合戦は、最後のお題に続きます。


 最後のお題は「ハナの差」です。さあ、栄冠は誰の手に渡るのでしょうか。


 先鋒の伊丹軍は、かわいい「ハナの差」の写真を出してくれました。そんなほのぼのした写真に、思わず会場も和みます。うーん。確かにハナの差には間違いないのですが、、。

 司会の若狭さんからは「伊丹!ここに来て、失速です!」と鋭いコメント。やはりあの「大ANA」は越えられず。めっちゃ好きな写真なんやけどなあ、と永井さん。それはあまり関係ありません。

 続く川西軍は「シンボルタワー」。一体何が「ハナの差」なんでしょうか。じっくり見ていると、だんだん何かに見えてきませんか?なんとこれ、あれにそっくりなんです。


 そう、京都タワーです。

九鬼さん「これ、川西に住んでる友達に見せたら、京都行ってきたん?って言われたんです!」
 川西民でも気づかない、そっくりのシンボルタワー。まさに京都タワーと「ハナの差」です。


 最後、尼崎軍は「カモの写真」。なんとも可愛らしいカモの写真ですが、じっくり見ていると隣り合ったカモが「ハナの差」で隣り合っています。やや、いや、ほぼ伊丹軍の写真と被ります。

 三軍の失速ぶりに若狭さんからは鋭いツッコミが入ります。すると、それぞれの大将は声を揃えて「ハナの差っていうテーマが1番いい写真を持ってこれると思ったんですけど〜、やってみたら案外難しくて〜」とまさかの言い訳。

 ご紹介できなかったものも含めて、この日は8つのお題で、数々の名勝負をつくり出してくださった三軍。「大ANA」「サチコ」「かよっち」。振り返ってみれば、どのまちにもたくさんの名物がありました。


 出陣したみなさんもお題に合わせた写真を撮るうち、自分が知らなかった地域の魅力をどんどん発掘していったそう。出陣したみなさんにとっても、参加者のみなさんにとっても、それぞれのまちで新しい魅力を発見することができたのではないでしょうか。

 よって、今回の勝負はドロー(いつもそうな気がする)!なので、お三方に一億円札をプレゼント!


最後にラッキープレゼント!

 最後に三野さんが、参加者にラッキープレゼントを持って来てくださいました。プレゼントは、馬の蹄を守るために装着する蹄鉄(ていてつ)です。古くから幸運が訪れるといわれています。本物のジョッキーから手渡される縁起物、これはご利益がありそう!

 「蹄鉄お守り」をかけて、みんなでじゃんけん大会。会場のあちこちから「じゃんけんぽん!」の元気な声が響き渡り、大人も子どもも本気モードです。見事勝ち抜いた幸運な参加者には、会場中から大きな拍手が送られました。じゃんけん大会の熱気も冷めやらぬ中、楽しかった今日のイベントもいよいよお開きの時間です。

 今回の「ちいきいと」は、豪華ゲストに、豪華景品、数々の名場面まで!それぞれのまちの魅力がぶつかり合い、最高の笑いと一体感が生まれた、忘れられない夜になりました。次回の「ちいきいと」ではどんな名勝負が見られるのか。ぜひお楽しみに!


当日の様子をダイジェスト動画でも紹介していますので、そちらもぜひご確認ください!