第18回みんなの尼崎大学オープンキャンパス@地域研究史料館

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 9月26日(水曜)に、第18回みんなの尼崎大学オープンキャンパス「たどる調べるタイムトラベル」を開催しました。今回の会場は、尼崎市総合文化センター7階にある地域研究史料館。同館学芸員の松岡弘之さんとともに、市報のバックナンバーを使って「まわしよみ新聞」を作りました。

 まわしよみ新聞とは、新聞記事の切り抜きを持ち寄って気になる記事を切り抜き、数名でトップ記事やレイアウト、見出しなどを考えて作る壁新聞のこと。


「まわしよみ新聞」http://www.mawashiyomishinbun.info/

 今回はそのまわしよみ新聞を、市報「あまがさき」のバックナンバーを使って作りました。

 史料館には、「市報あまがさき」のバックナンバーが約1100点保管されています。今回は昭和20年〜40年の市報から、一番面白いと思った記事を探すところからスタート。


昔の市報は今よりもエッジが効いていて、みなさん魅入られたように黙々と読み続けます

 記事を選んだ後は、普段は入ることのできない総合文化センター最上階の9階へ移動しました。
 実はここは、昭和50年から平成12年まで結婚式場として利用されていて、2万2千組のカップルが将来を誓いました。
 当時は婚礼事業での収益を文化事業にあてており多い年では年間1400組が挙式していたそう。1日3回転でも追いつかず、申込を抽選制にしていたのだとか。みなさんの周りにも、ここで式を挙げたご夫婦がおられるのではないでしょうか。
 現在は立ち入ることができませんが、今回は特別に会場として使用させていただきました。

 レトロな結婚式場には写真室、衣装室、親族の控室など往時をしのばせる部屋がそのまま残っていました。

 ウエディングマーチのBGMとともに結婚式場の内覧を済ませた後は、史料館学芸員の松岡さんに、同館について説明していただきました。


シャンデリアのあるムーディーな空間で行いました

 「地域研究史料館は、尼崎の歴史を知りたい人の自主トレルーム。博物館や美術館は、ショールームのように手を触れずに歴史を楽しむ場所ですが、史料館は過去を記録し続ける、いわばデータセンター」と話す松岡さん。
 市民のみなさんが「調べたい!知りたい!」と思ったことを自分自身で自由に調べられるように、尼崎に関する史料をオークションで落札したり、名家を訪ねて古い写真や史料の回収をしたりしています。
 史料館自体は一見小さく見えるかもしれませんが、バックヤードには膨大な数の史料が保管されているのです。中でも「公文書」と呼ばれる役所で作成された文書は、明治15年から保管されており、一番古いものは「尼崎に港をつくります」という決裁文書だそう。
 また、尼崎には日本で2番目に史料館が設立され、最初に作られた藤沢市(江の島のあるところ)と並び、業界内では「東の藤沢、西の尼崎」と称されているなど、オドロキ情報の連続です。

 「『地域研究史料館』と名前は固いですが、敷居は低いです!市民のみなさんの身近な問いを、全力でサポートする場所です。質問をしていただければ、みなさんの予想を越える量の史料をお出ししますので、ぜひ自主トレルームにお越しください」と目を輝かせて力説する松岡さんを、思わず動画で撮る参加者も。「皆さんが作っている日々の記録は、未来の誰かに発見されて役に立つかもしれません」という結びには、一同うならされました。

 その後は3つのグループに分かれ、先ほど史料館で選んだ市報の記事を持ちより、参加者同士で相談しながらまわしよみ新聞を作成します。


まずは選んだ記事とその理由をチーム内で共有しました

記事を切り抜き、紙面のレイアウトを考えながら貼っていきます

どんな見出しをつけるのかもセンスの見せどころ

事務局チームも面白い記事につられて思わず参戦

 それぞれのチームのまわしよみ新聞ができた後は、いよいよ全体で共有で発表です。こちらのチームは、昭和29年の「悪魔の薬ヒロポンを撲滅しよう」という衝撃的な記事や、尼崎市、伊丹市、川西市、猪名川町が合併を検討していたという昭和43年の「三市一町合併調査協議会」の話など気になる内容が盛りだくさん。


まわしよみ新聞を壁に貼って、どんな記事を選んだのか共有しました

 その後は、恒例のオープンキャンパスの会場のこれからを考えるパート。今回は「今は使われていない結婚式場の活用方法」「史料館の楽しい使い方」「史料館に保管されている映像史料の活用方法」の3つのテーマに分かれて、アイデアを出し合いました。


9階の結婚式場の活用方法を考えるチーム

 「結婚式場の活用方法」について考えたチームは、「コスプレで撮影できるイベントをするのはどうか」や「ここで結婚式を挙げた夫婦のこどもが、銀婚式をプレゼントできるプランを作ってはどうか」などのアイデアが。
 「史料館の楽しい使い方」は、「場所が分かりにくいので、まずは1階にかっこよくて目立つ看板を作る」や「学校の歴史の先生とつながってはどうか」といった意見がありました。
 また、「保管されている映像史料の活用方法」には、「松岡さんの語り口調が面白い。ユーチューバーになって、貴重な映像を紹介するのはどうか」というアイデアがありました。


出たアイデアを説明する松岡さん

 今回は史料館の松岡さんからの説明や、結婚式場の見学、まわしよみ新聞の作成など、あっという間の2時間半でした。松岡さんの史料館への熱い思いは、きっと参加者の皆さんの心に響いたのではないかと思います。

 次回の第19回みんなの尼崎大学オープンキャンパスは、10月26日(金曜)15時から。尼崎市身体障害者福祉センターで「そうか!身障センターだったんだ!」を行います。身障センターでの活動内容を知ったり、障がい者スポーツの体験をしたりと、まちなかにある学びの場を知るきっかけになるはず。ご参加お待ちしております。


昭和29年の若者最新事情は「スネかじり」

昭和43年尼崎市の自己評価は、ずばり83点!

ヒロポン、アカン、ゼッタイ!

完成した「まわしよみ新聞」は、ひと咲きタワー8階「みんなのロビー」にしばらく掲示しています

募集案内(イベントは終了しています。)


市役所で作られる文書は、市民みんなの財産。毎月届く市報あまがさき、イベントチラシやポスターなど昔懐かしい史料を実際に見ながら、尼崎の歩みと地域の記録の使い方を学びます。

■日時
2018年9月26日(水曜日)午後6時30分~午後9時00分(30分前より受付開始)

■場所
尼崎市地域研究史料館
(尼崎市昭和通2-7-16 尼崎市総合文化センター7階)

尼崎市立地域研究史料館のホームページはこちら
http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/

■参加費
無料

■持ち物
筆記用具

■定員
30名程度

■申込・問い合わせ
尼崎市役所 尼崎大学・学びと育ち研究担当
電話:06-4950-0387 ファクス:06-4950-0173
メール:ama-ucma@city.amagasaki.hyogo.jp