「意識高い系」じゃなくてもできる市職員による「市民活動図鑑vol.4」を開催しました(平成31年3月19日)

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今回の会場は尼崎市役所の地下1階でした

 少しずつ暖かくなってきた3月19日(火曜)に、「市民活動図鑑vol.4」を開催しました。
 この企画は、市職員が積極的にまちの活動に関われるよう、実際に活動に参加しているセンパイ職員が、その活動内容や面白さなどをプレゼンする尼崎市職員向けの研修です。
 今回は色んな部署の人が参加しやすいようにと、勤務時間が終わった夜の時間帯に開催(前回のvol.3の様子はこちら)。




 「市民活動」と聞くと、わざわざプライベートの時間を割いてボランティアをする、なんとなく自分とは違う「意識高い系」の人がすることというイメージがあるのではないでしょうか。これは市職員にかかわらず感じていることかもしれません。もちろん、向上心を持って市民とかかわりたいと自ら参加している人もいますが、実際は「いつのまにか巻き込まれたけれど、まあ楽しい」や「休日の朝に早起きするきっかけ」など、高い志や熱いパッションを持って参加している人ばかりではありません。
 そんな必ずしも「意識高い系」じゃない市職員が、市民活動へのハードルが下がる等身大のエピソードを語りました。


当日のチラシ。11の活動紹介があり、約30人が参加しました


クロストーク「市民活動と出会ってしまった私たちの場合」


 まずは、「カリー寺」の伊達元子さんと「杭瀬えんまん会」の山崎智宏さん、「あまがさきモリンピックパートナーズ」の波多伸一郎さんによるクロストークからスタート。はじめに、それぞれの団体の活動紹介をしました。

伊達「カリー寺は上坂部にある西正寺で開催されている、お寺でカレーを食べるイベントです。私は、2016年の立ち上げ時からごはんを炊く『ごはん隊』のお手伝いをしています」

山崎「杭瀬えんまん会は、僕を含め3人で立ち上げた団体で、杭瀬で商店街を巡りながら試食をする『つまみ食いツアー』などを企画しています」

波多「あまがさきモリンピックパートナーズは、尼崎の森中央緑地の芝生広場で開催しているへんてこな運動会。4年前から始まり、私は昨年から関わりはじめました」

 市民が立ち上げた団体に、個人としてプライベートで参加する伊達さんと波多さん。山崎さんは、自ら団体を立ち上げ、市民と一緒に活動をしているそう。

 次に3つのお題に対する回答を投影しながら、一人ずつ話を聞いていきました。


マイクを持っているのが伊達さん、中央が山崎さん、右が波多さんです

「参加のきっかけは?」

山崎「市役所から尼崎地域産業活性化機構に派遣されたことがきっかけでした。始めは仕事としてだったんです。業務として、不動産の再生からまちで新しいビジネスを生み出す実践の場「北九州リノベーションスクール」に参加し、杭瀬の空き店舗をリノベーションしたいと思うようになりました。同僚に相談すると、同じことを考えていたそうで意気投合し、杭瀬えんまん会を立ち上げました」

伊達「私は『上司に勝つため』でした。最初に配属された部署が私よりも知識も経験も多い職員ばかりで、仕事内容では私に勝ち目がなかったんです。それならまちに出て、面白い市民とのつながりの数で勝負しようと思い、誘われた市民活動には全て参加しはじめたんです。その中でもカリー寺に長くかかわっているのは、食べることが好きだからですね」

波多「最初は馬に乗れると聞いて興味を持ちました。でも最初の年しか馬はいなかったと聞きガッカリ。でも面白そうだと思いそのまま参加を決めました」

 波多さんの「馬に乗れるから」という答えには、会場に集まった市職員からも笑いが起り和やかな雰囲気に。


波多さんはこの写真を見て「馬に乗れる!」と思い参加を決めたそう

「今のお悩み」

伊達「ありません。『市職員だから』という目線で見られたり嫌な思いをしたりすることもありませんね」

波多「立ち位置が悩みです。イベント当日もスタッフとして参加しましたが、特に役割は与えられてなかったんですね。ですので、何が必要かと自分で考えて入口で娘と一緒にパンフレットを配布しました」

山崎「商店街の人と仲良くなりたいと始めた杭瀬つまみ食いツアーなどは盛り上がっていますが、もともとやりたかったリノベーションまちづくりの取り組みがあまり進んでいないことが悩みです」

 と、それぞれの悩みを披露。


「活動から得たものは?」

波多「まったり感ですね。イベントの段取りなどは、仕事とは手順が違うので垣間見ることができて良かったです。いろんな人と出会えたのも良かったです」

伊達「面白い人たちとの出会いですね」

山崎「地域の人やコーディネーターの人、他の地域で活動している人との出会いが得たものですね」

 と、3人ともまちの人との出会いが活動から得たものだというのは共通していました。大人になってから仕事以外の人間関係や友達ができるというのは、市民活動の一つの魅力なのかもしれません。

「センパイ!ちょっと話聞かせて」

 後半は11の活動に参加するセンパイ職員から、3分間ずつの活動紹介のプレゼン。その後、参加者はそれぞれ興味のある活動に分かれてセンパイ職員から直接話を聞きます。

 今回活動紹介があったのは・・・

・ 行きたくなる薬局を作るオープン会議
・ お笑い行政講座
・ こども食堂
・ プラモ尼崎城
・ ちゃりんこ来恋大作戦 三和本通商店街
・ みんなのサマーセミナー実行委員会
・ きふね寄席世話人会


貴布禰神社で開催されるきふね寄席。「長年、座布団を運んでましたが『きふね寄席世話人会』という団体名だったとは初めて知りました」と笑いを誘います

センパイ職員を囲んでの質問タイムも盛り上がりました

あなたに来てほしい!ドラフト会議

 最後には、すでに活動に参加しているセンパイ職員から、今日の参加者の中で自分の活動に参加してほしい人を指名するドラフト会議をしました。


みんなの尼崎大学放送部(みん放!)からは、ラジオにゲスト出演してほしい人あての指名が

 それぞれの活動の特色にあった人を指名していくセンパイ職員たち。
 杭瀬えんまん会は、電気工事の資格を持っているという小原健次さんを指名。小原さんは「個別相談でもかぶりつきで話しを聞けて、相思相愛で嬉しいです」と話していました。
 「みんながセンセイ、みんなが生徒」のキャッチフレーズで夏に300以上の講座を開催しているみんなのサマーセミナー実行委員会からは、「若いメンバーに参加してほしいので、横山智之さん!」とラブコールがありました。


みんなのサマーセミナー実行委員会から指名された横山さん

 その後は同じ会場で懇親会を開き、市職員同士、もとい「市民活動家」(?)同士、親睦を深めました。
 今回の市民活動図鑑では、市民の中に飛び込んで活動し、そこで居場所を見つけて楽しむ市職員の話を聞くことができました。これから、市民と市職員が一緒になって、さらに尼崎のまちがおもしろくなれば良いですね。