巻野未希さんプロフィール
昨年8月に、第一子の男の子を出産したばかりのお母さん。毎日、子どもの成長を見るのが、楽しくて仕方がないそう。市内に勤める保育士さんで、現在育休中。趣味は、お料理作り。
今回、市役所に突撃取材をしたのは、巻野未希さん。お仕事が保育士さんということで、赤ちゃんや子どもには慣れているものの、自らの子育てを通して、分からないことや聞きたいことが、たくさん出てきたのだとか。今回は、その質問をバーンとぶつけてもらいます!
核家族化が進み、一人でがんばって子育てをしているお母さんが多い。尼崎市はそんなお母さんたちに優しいまち?優しくないまち?
今、一人でがんばって子育てをしているお母さんたちって、すごく多いと思うんです。私は、実家が近いのでなんとか助けてもらえていますが、実際はそんなお母さんたちばかりではない。困っていたり悩んでいたりするお母さんたちが、身近に相談に乗ってもらえるところはあるのでしょうか?
児童手当の申請をしていただいた時にお渡ししているのが、「あまっこ子育てハンドブック」。これに、困った時の相談機関の一覧を掲載しています。また、子育て中のお母さんの仲間づくりや、情報交換の場所として設置している「つどいの広場」の情報も載せています。市内全域に10カ所ありますが、たくさんのお母さんたちが利用されていますね。交流の場としてだけでなく、子育て相談、子育て支援に関する講習会なども実施しているんです。ぜひ参加していただきたい!
「あまっこ子育てハンドブック」!確かにもらいました。でも正直言うと、出産してから、ゆっくり本を読む時間もなくて。ほかのお母さんたちも、あまり活用していないかも。相談所の一覧を掲載したチラシをポスティングしたり、市報に載せたりすることはできないのでしょうか?
「つどいの広場」は、交流の場として周りのお母さんも利用しています。私も、人が集まる場所に行くのは好きなのですが、苦手なお母さんもいますよね。そういうお母さんたちが、相談できる場所ってありますか。いきなり専門の相談機関に電話するのも、躊躇してしまいそう。
そうですね。相談するハードルが高く感じられると思います。市では、生後2カ月頃の赤ちゃんがいるご家庭を保育士が訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」を行っています。こちらからお母さんや赤ちゃんの体調をお伺いしたり、育児の相談に乗ることができます。どんな些細なことでも、気軽に聞いてほしいですね。あと、乳幼児健診をしている地域保健担当には、地域を担当する保健師がいます。地区担当の保健師がいますので、気になることがあれば何でも相談できますよ。もし、健診後に相談したいことが出てきたら「〇〇町の担当の保健師をお願いします」と電話してもらえれば、担当の保健師につなげます。
それは心強い。しかも、同じ保健師さんに聞けるのがいいですね。相談といえば、保育園に務めている時、お母さんたちから、アレルギーや離乳食のことを聞かれることが多かったんです。でも、詳しくは答えられなくて。市では、情報発信などをしているのでしょうか。
「親子で楽しむ離乳食講習会」は年38回、「子どものためのアレルギー予防教室」は年6回開催し、親子で楽しく参加しながら正しい知識を学べる機会としています。デモンストレーションや試食も交えた料理レシピの紹介、代替食品の紹介や食品表示の見方など内容はさまざまですが、お子さんの食事やアレルギーに関する悩みを気軽に相談してもらえるように工夫しています。
魚のアレルギーと言っても、すべての魚が食べられないことはまれです。調理方法を工夫したり、食べられる魚を見つけることが大事ですね。アレルギーを心配するあまり、離乳食の開始を遅らせたり、本来食べられる食品まで除去するお母さんがいます。あまり難しく考えすぎず、親子で一緒に食事をしたり、大人の食事から取り分けたりするなど、食べることに興味を持たせる体験が大切ですね。
最近のお母さんたちは、ネットから知りたい情報を探すのかな?多くの人に知ってもらうために、どんな方法でPRするのがいいのか。行政も、工夫を考えたほうがいいかもしれませんね。
困っている人をほっとけない。赤ちゃんもほっとけない。そんなまちだからこそ目指せるこれからの子育てとは?
これは、市民のボランティアメンバーで構成された「あまがさきキッズサポーターズ」が、欲しい情報を自分たちで収集し、企画、取材、原稿、デザインまでしているんです。現在は8名のメンバーで活動しています。ほかにも授乳やおむつ替えができる施設として「赤ちゃんの駅」を、市内に設置しているんですが、これも行政からお願いしているわけではなく、市内の施設や店舗が自主的にスペースを提供し設置してくださっているものなんです。
それは、本当にありがたい!私は、ずっと尼崎に住んでいるんですが、子どもを産んで改めて気づいたことは、親子に対して尼崎の人はやさしいなあってこと。妊娠中、バスの中で立っていた時、前に座っていたおばあちゃんが席を譲ってくれようとしたり。子どもを連れてスーパーに行けば、「かわいいなあ、何カ月?」って気さくに声を掛けられたり。外出すれば、たいてい話し掛けてもらえます(笑)。
最近では、働いている妊婦さんが増えています。尼崎市では母子手帳交付時では、約6割の妊婦さんが働いています。その分、マタニティセミナーにお父さんが一緒に参加するなど、協力的なお父さんが増えてきたように思います。でも、子育てが孤立しないように、地域みんなで支えていけるような環境が必要ですね。
※子育て(市役所/外部リンク)