第10回目のオープンキャンパスは、中央図書館で開催しました。
今回、企画にあたって館長の安福眞理子さんから「自慢の『図書館内ツアー』をみなさんに体験してもらいたい」とみんなの尼崎大学事務局へお話がありました。
実は尼崎の図書館は大正9年開館と歴史が古く、戦前の貴重な資料を求めて、市外からも来館があるそうです。しかし、貸出率が近隣市と比べて低いことが悩みだとか。「使わないのはもったいない、ぜひ図書館や本の面白さを知ってほしい」と企画を進めました。
会場は中央図書館1階のセミナー室。当日は30名の参加者がありました。受付の横には、職員の山本美和さんがセレクトした本が並び、「興味ある1冊を選んで席について下さい」と指示。
まずは選んだ本を使って「直観讀みブックマーカー」という遊びを体験。「私を一言で表すと?」という「問い」をたて、本を手に持って「答えを教えてください」と祈ります。目を閉じながら本を開いて、指差した一文がその「答え」です。
今回はその「答え」を使ってグループで自己紹介。直観(偶然)の一文が意外と自分を表していたり、無理やりこじつけて説明したりと大盛り上がり。新しい本の楽しみ方を知ることができました。
※直観讀みブックマーカーについて詳しくは http://tyokkannyomibookmarker.info/
その後はお待ちかねの図書館ツアー。ガイドは前田篤夫さんと山本さんのお二人です。
前田さんは「マエアツ」とも呼ばれる中央図書館の名物職員さん。ツアー前に見どころを教えていただきました。「古い資料だと『サンデー毎日』はほぼ全巻(一部欠号あり)揃っています。大正時代の高校野球の記事が見たいと、四国から閲覧に来た人もいるんですよ」「ここで一番高額な本は『レオナルド・ダ・ヴィンチ素描集』。普段は書庫にあり、閲覧希望があったときだけお出ししています。今回は書庫の中もご覧いただきます」。
まずはエントランスのある2階を見学。季節の特集コーナーや、絵本、雑誌、目の見えにくい方のための大活字本などが並びます。
続いて3階レファレンス室。ここは調べ物をするための部屋で、郷土資料や住宅地図など禁帯出(貸し出し禁止)の本や大判の本が並びます。阪神間随一の広さが自慢だそうです。
いよいよお待ちかね、普段は入ることのできない書庫へ! 1階書庫、略して「イッコ」と呼ばれ、日本文学の本が多いようです。「毎年新しい本を2万冊購入しているので、古いものや貸し出しの少ない本から書庫に移動しないと、棚に入らないんです」と山本さん。
奥には「配本室」という部屋が。尼崎では中央図書館、北図書館のほか、地区会館や公民館など計10カ所の図書室及び図書コーナーが連携し、どこで借りても返却してもOK、互いに取り寄せもできます。そのため、各館へ送る本をここで毎日仕分けしているのです。
地下2階にも書庫(こちらは「ニコ」)があり、ここには古い児童書などが所蔵されています。
最後は地下1階の電動書庫(「デンコ」)へ。ここの本はほとんどが禁帯出。大正時代からの新聞紙や、永年保存の雑誌など、貴重な資料が並び、山本さんの解説も熱が入ります。「閲覧はできるので、ぜひ見に来てください。昔の雑誌もすごく面白いんですよ」。
充実したツアーの後は、図書館でやってみたい企画を、グループに分かれて話し合いました。
マエアツさんからは「貸し出し冊数を増やすにはどうしたらいい?」というお悩み相談。「中央図書館は入り口が2階にあってわかりにくい」という声があり、借りてもらう前に入りやすい工夫を、ということで誘導サインをつけるアイデアが。
「仕事をしている大人が楽しめる企画を考えたい」というグループからは、本を読みながらウトウトすると気持ちがいいよね、という声があがり、「図書館でシエスタを…。」という企画が生まれそうです。
休憩時間に直観讀みブックマーカーで出会った本や書庫見学で気になった本を借りていく方もたくさんいらっしゃいました。
安福館長は「今日はこんなにたくさんの方に図書館の活動を応援してもらえて、とっても嬉しかったです。またいつでもお越しくださいね」とメッセージ。「そういえば行ったことなかった」という方も、ぜひ一度足を運んでみてください。
【公式サイト】尼崎市立図書館