いつも歩いている道で、アスファルトの段差や腐食して倒れそうな柵を見つけたらあなたならどうしますか?私は危ないなと思いながらも、どこに連絡したらいいか分からないし、迷惑がられたら嫌だなと通り過ぎていました。そんなとき、この「道道(どうどう)」の心得があれば、新しい世界の扉が開くかもしれません。
9月3日(木)19時からは、「道道入門〜コロナと散歩〜」を開催しました。10月からリリースされているアプリ「My City Report あまレポ」の使い方を、道道の作法に則りながら、尼崎市道路維持担当の柏木さんに教えていただきました。道道とは、尼崎市職員として10年間道路の管理をしてきた柏木さんがたどり着いた、道路の見極め方。今日はそんな道道に入門してみましょう。
道路を守る尼崎市道路維持担当
「まずは道路クイズをしましょう!尼崎市が管理している道路の総距離はどれくらいだと思いますか?」と話すのは、道路維持担当の藤田さん。実は市内の道路総距離は800kmもあるそう。直線にすると、尼崎から仙台まで行ける距離だというから驚きです。それだけの距離がある道路全ての壊れた所を、市の職員だけでは見つけきれません。
そこで、簡単に市民から道路の壊れた所を報告してもらえる方法として「あまレポ」が導入されました。「あまレポ」は自分たちのまちの道路をみんなで見守る制度です。なるほど、みんなで見回って報告してもらえれば、担当部署も助かるし、その道を通る他の人達の役にも立つという仕組みなんですね。
今回は道路の壊れた所を見つけるポイントを学びます。
まずは知っているとかっこいい道に関する名前を学びます。「この道に空いている穴のことを何と呼ぶでしょうか?」と話す柏木師範。これは「ポットホール」というそう。足が引っかかってつまずいてしまうなど、危ないポイントです。
さらによく歩道に敷かれているレンガようなこのブロックは、「ILB(アイエルビー)」というそう。インターロッキングブロックとスラスラ言えたらかっこいいですね!
次は上の写真を見ておかしいところを探してみてください。これが分かれば道道初級だそう。よーく見ると先ほど勉強した「ポットホール」があることが分かります。
次は先ほどの写真の壊れている所を探します。赤い丸の部分の「ILB」がデコボコしていますね。これが分かれば中級です。みなさんの生活圏には、こんなデコボコありませんか?
最後に上級編!上の写真で壊れているポイントを見つけられますか?ヒントは溝の手前に立ててある白い柵です。これが分かれば道道を極めし者になれるでしょう。
答えは柵の根元に穴が空いていました。柵が錆びて、もう少しで道路に倒れてしまいそうです。これはかなり危ない状態ですね。アプリで報告するときは、このように周囲が分かる全体の写真と、壊れている所が分かるアップの写真があると良いそう。
さらに師範級になると、道路の下にできた空洞を見つけることもあるそう。道路が少しへこんでいたので掘ってみると、空洞ができていたというから驚きです。下水に土が流れてしまった状態で、もし歩いているときに陥没したら…と思うと恐ろしいですね。柏木師範は「このレベルになるとアプリ投稿ではなく、道路維持担当に電話してください!」と話します。
今回のゼミを受けた人と、このレポートを読んだ人は道道初級になったと思うので、ぜひアプリをダウンロードして投稿してみてください。道を歩いていると「これも報告した方がいいかな?」と悩むことがあるかもしれませんが、3cm盛り上がっているだけでお年寄りはつまずいてしまうことも。
「補修するか直しないかの判断は道路維持担当で行いますので、気にせずどんどん投稿してください」と柏木師範も話していますので、人がよく歩くところで壊れているポイントを見つけたら投稿しましょう。補修された場合はアプリ内で担当部署からのお礼付きで補修後の画像を確認することができ、言いっ放しではない手応えが得られる点もアプリの良いところ。お散歩しながら道道を極めてくださいね。
道道入門のお話はYouTube「みんなの尼崎大学」でも公開していますので、ご覧ください。