武庫北小学校の休み時間に図書室を覗いてみると、子どもたちや読書力向上担当の職員さんのほかに、青いエプロン姿のお母さんたちの姿が。今回は、市内の小学校で、その学校に通う児童の保護者が中心になって活動する「図書ボランティア」のみなさん、通称「図書ボラさん」のお話を聞きに、武庫北小学校に行ってきました。
迎えてくれたのは、武庫北小学校図書ボランティア代表の松本さん、昇さん、中島さん、濱渕さん。

図書ボラさんは、どんなことをされているんですか?
本の表紙の補強や修繕、図書室の飾りつけや休み時間の読み聞かせ、それを知らせるポスター作りなど多岐にわたります。ほかにも、本選びのお手伝いもさせていただいています。「こんな本を読んでほしいな」とか「これ好きそうだな」っていう、母親目線で本を選ぶのが楽しいです。
おもしろそう!でも、本の修繕や読み聞かせ、ポスターの作成と聞くと、「ちょっと私には難しいかも」と思っちゃいます…
そんなことないんですよ。ここには20人ほどの図書ボラがいるので、読み聞かせしたい人、絵が得意だからポスターを作れる人など、自分の得意分野を活かして、それぞれがパワーを発揮してくれているんです。だから、「こんなことやってみたいな」という気軽な気持ちで参加してくれたらうれしいです。
とてもオープンな感じなんですね。では、みなさんが図書ボランティアに参加したきっかけは、なんだったんでしょうか?
私は、お友達から図書ボランティアに誘われました。本も少し好きだったし、学校での子どもの様子を見てみたいと興味を持ち、上の子が図書委員の時に参加しました。家で「次は何を読もうかな」という子どもに、「あの本がおもしろいよ。あそこの棚にあるよ」なんておすすめすることもあります。保護者が図書ボランティアになったことがきっかけで、お子さんが図書委員になるということもあります。

家族のコミュニケーションにもなっているんですね。
参観日だけでは分からない、子どもの学校での様子を知ることができるのって、保護者にはとてもいい機会だと思います。先生とも親しくなれますし、学校全体の雰囲気も感じられます。
学校がより身近に感じられる機会にもなるんですね。色々な活動をされているようですが、読み聞かせや本の修繕など、素人にはできそうにないんですが…
ほかにも、今年は社会教育課の図書ボランティア研修があって、中央図書館の司書の方に来ていただいて、本の修繕を教えてもらいます。
では、その様子もぜひ取材させてください!
研修会では、まず表紙の補強を学び、実践します。新しい本を購入したら、傷まないようにビニールのシートを表紙に貼り付けます。これが、ただ貼るだけかと思いきや、結構難しい!本の大きさや形状もさまざまなので、一冊一冊に合わせてシートを切り、手順に沿ってみなさん真剣に作業を進めます。


本の修繕では、1ページだけ抜けた本、ゴソッと抜け落ちた本、破れてしまったページなど、繰り返し何度も読まれた本一冊ずつの「症状」に合わせて、大切に直していきます。



読み聞かせの見学では、声の強弱や間の取り方など、子どもたちがお話の世界に惹き込まれていく様子を見学し、図書ボラの活動に活かします。

ボランティアと聞いて、本の貸し出しのお手伝いかなって思っていましたが、とんでもない!本当に色々な活動をされていることに驚きました。
図書室関連の企画は図書担当の先生が色々と考えてくださり、児童の図書委員さんがその作業をお手伝いしてくれています。私たち図書ボラも、企画の参加者に手作りのしおりをプレゼントしたり、本を読みたくなるような仕掛けづくりのお手伝いをしています。年々、読書をする子どもが増えてきていると感じますし、「本を読むのが好き」と言ってもらえると、うれしいですね。

最後に、「私も図書ボラやってみようかな」という方に、一言お願いします。

「したい人がしたいことをしよう」というスタンスで活動しているので、一緒にできることは色々あります。どこの小学校の図書ボラさんもきっと、「まずは一度、図書室に遊びに来て」と思っていると思いますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
子どもも大人も一緒に楽しめる場所が学校の図書室って、とてもステキなことですよね。あなたも地域の小学校で、図書ボラさんとして活動してみませんか。