立花地区でのごきげんさんな暮らしぶりをのぞいてみました。今回は、立花のM(見たい!)、K(聞きたい!)、I(言いたい!)を楽しみながら届けようと「立花MKI~enjoy & gift for you~」として活動する市民企画委員のみなさんと一緒に、尾浜エリアを中心とした魅力スポットを巡りながら、尾浜に対する思いなどをお聞きしました。
まずは自らがまちを知ること
今回、尾浜エリア巡りを企画したのは市民企画委員のみなさんと立花地域課職員。市民企画委員の活動は、くらしの中で気になることを持ち寄りながら、講座などの企画を行うことで、住民主体の学びの場を作っていくため、毎月1回程度、集まって会議を行います。今回は、地域のみなさんと一緒に巡る尾浜エリアのまちなかオリエンテーリングの実施に向けて、自分たちも尾浜について知るために、まずは地域研究史料館に出向いて歴史の調べ方などのレクチャーを受け、資料を見ながらまちがどう変わっていったか、なぜ変わったかなどを学びます。そのうえで、事前に尾浜の魅力スポットの候補をあげ、実際にまち歩きを行います。委員の佐藤さん、山口さんは、以前から公民館での市民活動に携わってきていて、「尾浜のことを自分たちがもっと知って、ほかの人たちにも知ってもらうことで、まちの人たちとの新たな交流につながれば嬉しいです。」と、今回の企画に期待を膨らませます。
平安時代に思いを馳せる
尾浜エリア巡りのスタート地点は、尾浜にある「八幡神社」。境内には尾浜で悲しくも美しい物語として伝承されている「名月姫」のお墓があります。名月姫は、久安2年(1146年)の8月15日、満月の夜に誕生したことから名付けられたと言われています。
尾浜の歴史あるシンボル
続いて訪れたのは、庄下川沿いにあるミニ灯台。尾浜は昔、大阪湾に面した入江であったと言われています。灯台部は長い間、海をとおる船の安全のため、大阪湾を照らし続けていたものですが、やがて、発光ダイオード(LED)の普及によって役目を終えた灯台を、何とか再利用できないかと地元住民が立ち上がり、平成21年2月に、まちの安全を守る灯として生まれ変わりました。
レトロな雰囲気と人の温かさに触れる
そして、尾浜のメインシンボルはやはり、名月姫の看板が迎える「尾浜商店街」。店舗数こそ昔に比べて少なくなってきましたが、今もなお残る個性あふれるお店の前にはご近所同士の笑い声が飛び交っています。この商店街で靴店を営んできた市民企画委員の鈴木さんは、「長い間このまちに住んでいるからこそわかることがあるんです。これからも愛されるまちであることを願って、何かの役に立てれば嬉しいです。」と笑顔で話します。
時代の流れを感じさせる「履物」
尾浜商店街には、昔の人が履いていた草鞋(わらじ)や草履、下駄など、大きさや形も様々な履物が並ぶ、履物博物館があります。人間が猿人、原人、旧人、新人、現代人の流れで進化すると同時に、体のつくりも進化してきたことから、これらの伝統的な履物も時代とともに変化していきます。今では目にすることがないような履物がたくさん並び、見る人の目を楽しませる、そんな博物館です。
歩いてこそわかる、まちの魅力
ほかにも、尾浜の知る人ぞ知る穴場スポット「岸田商事」の懐かしさあふれるラムネ菓子や、世代を超えて愛され続けてきた尼崎発祥の洋菓子ブランド「エーデルワイス」のミュージアムなど、尾浜にはまだまだ魅力がたくさん。尾浜に住んでいたことがあった市民企画委員の宇都宮さんは、「よく通る道なのに発見がいっぱいあり、どこか懐かしい気持ちにさせてくれました。」とまち歩きを振り返ります。
まちに誇りを持ち、魅力を伝える
令和2年3月には、尾浜エリアの地域の歴史ストーリーや昔の地名など見どころ、聞きどころを巡る「おはまちぶらり~尼崎の中心(へそ)、尾浜でまち探検~」が開催されます。企画実施に向けて、立花地区の市民企画委員のみなさんは今日もまちのことを思いながら活動します。
ふだんは通り過ぎるだけの道、ゆっくり歩いたり少し立ち止まってみたりすることで、新たな発見や気付き、魅力が見えてくるかもしれませんね。