尼崎で平成30年12月から1年4カ月間の実証実験として始まったコミュニティサイクル「HELLO CYCLING」。実証実験が終わった現在、さらにサイクルポート数と車両台数を拡大しながら事業を実施中。自転車のまち尼崎では、コミュニティサイクルを利用するのも便利なようですよ。コミュニティサイクルについて、担当の生活安全課の職員に教えてもらいました。
レンタサイクルとコミュニティサイクルの違いとは
レンタサイクルは、駅前などのサイクルポートで自転車を借りて、観光施設などを巡り、最後に借りたポートへ返却する方法が一般的です。一方、コミュニティサイクルは、駅前や施設など市内各所に設置された無人のポートで自由に乗り降りできるのが特徴です。
実は、尼崎で導入されている「HELLO CYCLING」というコミュニティサイクル運営システムは、すでに全国20都道府県200市町村以上で展開されているもの。兵庫県下では神戸市や西宮市で実施されているほか、大阪府下では大阪市や豊中市でも展開されています。市内だけでなく、「HELLO CYCLING」のポートがあれば、どこでも乗り降りできます。事前にアプリのダウンロードとカード決済の登録が必要ですが、利用予約や返却、利用料の支払いもすべてスマートフォンで完了できます。
ポート数、車両台数が増えてより便利に
尼崎でのコミュニティサイクルがスタートして、すでに4年以上が経過しましたが、ポート数の増加によって、さらに利用しやすくなっています。現在、市内29か所までポートが増えています。各ポートには3~8台の自転車があり、10台以上用意された場所もあります(JR尼崎駅、JR立花駅)。車両台数は164台に達し、すべて電動自転車なので、楽に移動ができます。
これまでの利用実態をみてみると
〇居住地(実証実験時のアンケート結果より)
〇自宅に自分の自転車を保有しているか(実証実験時のアンケート結果より)
「すでに自転車を持っている尼崎の人が利用するの?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。実証実験時のアンケートによると(令和2年3月実施)、利用者の40%が尼崎市民で、自分の自転車を所有していても利用している尼崎市民が25%となっています。
また利用時間は、15分以下の短時間利用が多いのも特徴です。日常の短距離移動の手段として便利に使っているようです。30分130円(令和4年4月現在)という利用料金も「短距離、短時間」利用を後押ししています。
さらに利便性を上げるために
現在、月あたりの利用者数は1000人近くになっているそう。平均して月1~3回程度利用する人が多いようです。利用者が増えるほど、ポート数や車両台数も増えていく可能性があります。尼崎のまちは、阪急・JR・阪神の鉄道間の南北方向の移動が不便だとはよく言われます。そんな駅間移動を便利にするのにも、コミュニティサイクルは一役買ってくれそうです。
例えば、阪神尼崎駅から市役所へ用事のある場合。行きは雨だったから阪神バスで行ったけれど、帰りは雨も上がったので、コミュニティサイクルを借りて、買い物をいくつか済ませながら駅まで戻る、といったことも。「鉄道×バス×コミュニティサイクル」を使いこなせば、ますます移動が便利になりそうです。自分なりの移動パターンを考えて、自転車に乗りながら尼崎の魅力を見つけてみませんか。
まずはアプリのダウンロードから。詳しい利用方法は、こちらの「動画」や「HELLO CYCLING」のホームページをご覧ください。