今年度最後のみんなの尼崎大学相談室。県外からの参加者もいらっしゃって、年度末にふさわしい(?)賑わいを見せた様子をご紹介します。
みんなの尼崎大学 相談室(略して、みんなの相談室)」とは…
毎月第2水曜日の11:00〜21:00にあまがさき・ひと咲きプラザで開いています。「尼崎でこんな活動をしてみたい」「進めたいプロジェクトがあるから、仲間が欲しい」「何ができるかわからないけど、お手伝いをしてみたい」など、活動の場を見つけたい人や広げたい人が相談できる1日です。
参加者同士が交流できるコアタイムは、
・ ひるのミーティング(12:00〜13:30)
・ よるのミーティング(19:00〜20:30)
Zoom参加も可能なミニコーナーは、
・ モヤモヤ茶話会(15:00〜15:30)
・ 今月のスポットライト(18:00〜18:30)
それ以外の時間で相談員(コーディネーター)へ個別相談をすることもできます。
誰でも遊べる公園を尼崎に
ひるのミーティングには、20名の方が参加。今回もいくつかのテーマが出ましたが、なかでも「ゲリラランチ(市内の飲食店でランチを共同購入して、みんなで一緒に食べること)をしたい!」という山梨から尼崎に遊びに来ていた学生さんのアイデアにみんなが乗っかります。
「尼崎で美味しいものを食べたい」だけではなく、「コロナで大変な飲食店を応援したい」「いろんな人と一緒にお店で料理を注文したい」という相談。
みなさんとの意見交換を経て、一旦LINE(ソーシャルネットワーキングサービスのひとつ)でグループを作成し、そこでランチに関するさまざまな情報をやりとりすることに。ひるのミーティング終了後「一緒にランチ行きませんか?」という声も。具体的なつながりが広がる機会にもなりました。
また「障がいがあってもなくても楽しめるインクルーシブ(包括的)な公園を市内につくりたい!」という相談も。
障害を持つ子どもを育てた自身の経験から、「障害のある子どもでも安全に遊べる遊具のある公園をつくりたい」と数か月前に相談しにきてくれた上村さん。進捗を聞かせていただくと、その変化にびっくり。実際に「あまがさきチャレンジまちづくり事業(公益的な事業に対する助成制度)」にも提案されていて、プロジェクトが具体的に動き出しているそうです。今後は実際に市内のいろんな場所でワークショップを重ねながら、仲間を増やしていくとのことで、力強く進んでいる様子を見せていただくことができました。
呼び方・呼ばれ方にモヤモヤ
毎回15時から開いているモヤモヤ茶話会は、特に盛り上がりました。「呼び方モヤモヤ」と題して、名前や肩書きなど、相手への呼びかけの際のモヤモヤ、あるいは呼ばれる際のモヤモヤについてみなさんと語り合いました。
孫に「ばあば」と呼ばれたくないのに夫が「じいじ」と呼ばせた手前、自分も「ばあば」になりそうだという問題から、飲み会の席で部下から役職で呼ばれるとフラットに楽しめないから嫌という問題、本当は名前で呼んでほしいのに苗字のインパクトが強すぎて全然名前で呼んでもらえない問題や、女性のパートナーのことを奥さんと呼ぶのは違うと思いつつ、妻さんやパートナーさんでは少し違うなと感じるという問題まで、非常にさまざまな「呼び方問題」に日々みなさんがさらされていることがわかりました。
30分ほどの時間でしたが、ちょっと足りなかった感じもするので、またどこかでやってみても面白いなと思いました。
みんなの尼崎大学で人生が変わった水道屋さん
18時からは今月のスポットライト。みんなの尼崎大学のイベントでよく顔を見るけど、どんな方なのかまだまだ知らない。そんな方に人生や取り組みをプレゼンしていただく場です。
44歳、配管工。照屋さん。1年半ほど前から足繁くみんなの尼崎大学関連のイベントや場に通ってくださっています。学生時代はラーメン屋、警備員、ホテルマンなど10を超えるバイトを経験。その後、ゼネコンに就職します。しかし、30歳手前で家業を継ぐことに。その家業が配管工事業でした。ゼネコンにいた時は自分が配管工事屋さんを「使う側」だったのに、それが逆転して「使われる側」になった。当初は大変だったけれど、今の歳になっても配管工の仕事は全然飽きない、楽しい、と話してくださいます。
そんな照屋さんがしきりに話してくださるのが「みんなの尼崎大学に参加して新しい仲間が増えた」ということ。配管工事の今後の業界をどうするか、高齢化していく業界をどうやって若返らせていくかという問いを持って相談室の門を叩かれた照屋さんですが、まったく別分野の方からのコメントやアドバイスがあったからこそ、世界が大きく広がったと教えてくださいます。
ですが、わたしたちも逆に照屋さんから、みんなの関心ごとにしていくことの大切さを学んでいるような感じがします。おたがいさまですね。
今月のスポットライトはこちらからご覧いただけます↓
伝える入り口づくりは難しい
よるのミーティングにも20名の方が参加されました。参加者の方から「HSP(ハイリーセンシティブパーソン)について知ってもらいたい」「数学の楽しさを伝えたい」という相談がありました。
いずれの相談も、だれに、どういった方法で届けるか、という議論になりました。
HSPとは、生まれつき感受性が高く人一倍敏感な気質のある人のことで、人口の5人に1人が当てはまると言われています。相談者の方の話を聞いて、シングルマザーかつHSPの方本人へのアプローチもしつつ、周囲の理解者をどう増やしていけるかという話をしました。
数学のテーマについては、数学そのものに触れる場というよりも、まず機械(設計)に触れる楽しさに触れた上で、数学に触れるような順番にしたほうがいいのではという話になりました。
地域での活動においては、できること、やってみたいこと、求められていることなどをうまく組み合わせて、その重なるところで活動を展開していく必要があります。必要だと思っても時には押し付けっぽく感じたり、でも動かないとなにも伝わらなかったり。重要なテーマこそ、丁寧な伝え方ができればと改めて感じる機会になりました。
令和3年度の「みんなの相談室」は一旦終了。4月からの相談室はこれまでとちょっと変わってリニューアル。
丸一日の開催から、ひるとよるのミーティングだけに変わります。また、開催も毎月ではなく偶数月のみの開催に。その分、相談室のない月はオープンキャンパスを開催したり、まちのいろんなプラットフォームに参加しようと思っています。4月からもみんなの尼崎大学の動きをお楽しみください。
次回は2022年4月13日(水)にひと咲きプラザで開催します。相談員一同、皆さんのご参加をお待ちしております。